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フォスター(一時預かり)の大切さ・素晴らしさ:パート2

  • 掲載日: 2011年6月1日
  • カテゴリー:コラム
フォスター(一時預かり)の大切さ・素晴らしさ:パート2

フォスター(一時預かり)の大切さ・素晴らしさ:パート1からの続き

前回はフォスター(一時預かり)さんがアメリカのシェルターのシステムの中でどのような位置にあるか、又フォスターさんが保護された動物達にどれだけポジティブな効果を与えられるかという事について説明させていただきました。

フォスターをする不安

前回書いた動物達に与える事ができるメリットを読んで、「助けになるのならばやってみたいなー。」と思われた方もいるでしょう。しかし、「私にできるかなー。不安だなー。」と思われる方も沢山いると思います。確かに、今まで一度も犬や猫と暮らした事がない、という方に「大丈夫!簡単だからやってみて。」とは言えません。だからといって今までに経験のない人はフォスターをしちゃダメ!という事でもないですが、やはり動物を初めて飼う時と同様、犬や猫と暮らす事について色んな本を読んだり、クラスを受ける、ネットなどで調べてみるなど、事前の勉強は必要だと思います。フォスターする愛護団体さんによっては、簡単なトレーニングをしてくれたり、基本を教えてくれたりする所もあります。

保護犬や猫の中には確かに心や身体の傷を負っており、少し時間をかけて心身ともにリハビリをする必要のある子もいます。ですが、驚く程に社会化もしっかり出来ていて、何の問題も見られない子もいますので、ボランティアする愛護団体さんに自分の経験歴と自信の程を相談して、一番合う子のフォスターになるのがいいと思います。一番最初はあまり考えすぎないで、飛び込んでみるというのもいいかもしれません。やって見ると頭で考えていたよりもそんなに難しい事でもなかったりするかも?一匹一匹によって経験は違うと思いますが何度となくフォスターを重ねてゆくごとに、自分がフォスターしやすいタイプの犬や猫がだんだん分かってきますので、自分に合う子とのマッチングを愛護団体さんにお願いしてみるのはいかがでしょう?

フォスターしてる子の餌代や医療費はどうなるの?

アメリカでは愛護団体さんによりますが、私の知っている団体のフォスターさんになると、その子にかかる餌や医療費等が負担されます。反対に医療費以外の餌やトイレシーツなどの生活用品はフォスターさん宅で負担してもらっている団体さんもあるかと思います。これはどちらのやり方が正しいという事ではなく、単に現在の自分にあった方法をとっている団体さんを選べば良いと思います。ただ、フォスターしてあげてるのに、こちらで生活用品まで払えっていうの?と怒ったりする方のお話も聞きますが、それはちょっと違うかなーと思います。「フォスターしてあげている。」という感覚は一切捨てて頂き、逆に「この動物が我が家で十分休息し、新しい家族と共に一生を送る為のお手伝いをさせてもらっている。その喜びや感動を経験させてもらっている。」という心意気で望めば、きっと素晴らしい経験ができると思います。

子犬と成犬どちらのフォスターがいいんだろう?

ドニー君

ドニー君、当時3ヶ月

我が家は賃貸マンションな為、一世帯につき動物は2匹までと決められていますので残念ながら今はフォスターをする事ができません。ですが過去に数日間という事で緊急に3ヶ月の子犬のフォスターをする機会がありました。子犬と一緒に暮らすなんて子供の時以来28年ぶり!思わずシーザーさんの「完璧な子犬の育て方(How to Raise the Perfect Dog)」というオーディオ本を購入し、おさらい勉強しました。(我が家の愛犬達で失敗経験があるので、大切な預かりっ子を問題犬にしちゃいかん!という変なプレッシャーからです。笑)我が家に来たのはパグとチワワミックスのドニー君。愛らしい顔で元気いっぱいのパピー。結局我が家に5日間程いたのですが、その5日間は結構大変。私が家にずっといるので問題はなかったのですが、やっぱりクレートに入れていない時は一切目が離せません。

新しく来た犬は基本的にクレートにいれ、少しずつ家の中を体験させるのが基本です。最初は自由に自分の好きな時に行きたい所に行かせるるのではなく、ルールを与えてやる事は犬にとっても良い事だと聞きました。

我が家でフォスターしたドニー君は子犬なので、膀胱も小さく、トイレもきちんと時間を守って連れて行く必要があります。我が家の場合は大体2、3時間ごと、特にご飯の後5〜10分くらいはクレートに入ってもらい、そのまま抱いてトイレシーツのおいてあるトイレに直行。排出をする前に、「遊んで〜」と飛びかかってきても横を向いたりして無視を続けます。無事排出をすませると褒めてやります。逆に排泄の失敗をしてしまった時には絶対に怒らないで下さいね。怒ると排泄自体が悪いものだと勘違いして、隠れてするようになってしまうようです。ドニー君の場合はトイレシーツの上での排泄はすぐに覚えてくれましたが、でも油断しているとカーペットをくんくんと嗅ぎ出し、おしっこの準備態勢に入りますので、目が離せない!(どうでもいい余談ですが、子犬がうんちの時にふんばる姿はなんとも可愛いです!)子犬は確かに可愛くて、やっぱり子犬を〜と思う気持ちも分かりますが、時間と気持ちに余裕のある方がいいかな、と思います。でも楽しかったですよ。一度子犬を経験する事で、成犬の里親になる事がどれだけ楽か分かるので、いい経験しました。

やはり成犬の場合、心身共にリハビリが必要な子以外は、比較的簡単にフォスターさんでの日常の生活に馴染めるのではないでしょうか。成犬はトイレのしつけなどもすでに出来ている場合も多いですし、パピーの様に一日中目が離せないなどという事も少ないと思います。*それぞれの犬や猫によって状況は様々なので、フォスターさんの経験が問われる場合もありますし、世話のかからない場合もあります。

しかし、フォスターする犬や猫の中には、虐待や飼育放棄などで心と身体の両方が疲れ果て、傷ついている子達もいます。私はドッグトレーナーではありませんし、我が家の愛犬達に対してもまだまだ甘い所がある情けない飼い主なのですが、私が今まで色んな方の本を読んだりして学んだのは、あまり感情移入しすぎない事です。「ああ、この子は可哀想な過去があって、今こんなにも傷ついているんだわ。優しくしてあげなくちゃ。抱きしめてあげなくちゃ。」という気持ちは人間として当然起こりうる感情ですが、犬に対しては逆効果になる事もあります。初めてフォスター犬が来た時には、クレートの中でほっておいてやり、自分は家の中で普段通りの生活をする事をおすすめします。(犬への正しい対応の仕方については、犬のプロの方とのコラボ企画を予定しておりますので、そちらの方もお楽しみに!)

フォスターの辛さ、大変さ

トイレの失敗。子犬はもちろん、成犬の場合でも新しい習慣(ルーティーン)に慣れるまでに失敗してしまう事はあります。しつけがなされてない子もいますので、基本的なしつけや社会化を教えてあげる事も必要。そういう意味ではやはり時間は費やされますし、最初は神経も使うと思います。これを「辛い」とか「大変」とまったく思わない明るい☆フォスターさんを私も知っていますので、これはその人がどのように受け止めるかによって変わってきますね。

フォスターを躊躇する理由の一つとしてよく聞くのが「フォスターしてしまうと、別れが辛いから・・・。絶対離したくなくなる。」というものです。私が3ヶ月のちいさなドニー君を預からせて頂いた時にも、たった数日間といえ、お別れが怖かった。ドニー君を一生可愛がってくれる完璧な飼い主さんに渡したいが為に、新しい飼い主さんをものすごーく厳しい目で見てしまったり・・・。

別れは淋しいが、次の命をつなぎ止めるきっかけにもなる

フォスター犬や猫が新しい飼い主さんの元に行ってしまっても、まだまだフォスターさんを待っている動物達が沢山います。大切に育てたフォスターの犬や猫を送り出す時は「キミを送り出す事でまた新しい子の命が助かるよ。ありがとう。」という感謝の気持ちで送り出してやって下さい。また例外として、私の知っている団体が愛情を込めて「おちこぼれフォスターさん」と呼んでいるフォスターさん達もいます。これはフォスターさんが、新しい飼い主さんになってしまったという場合です。出会いというのは面白いもので、フォスターをしていても、特定の犬や猫に「ハートにびびびーん!」という出会いもあります。フォスター犬や猫にとって一番良い状況ならば、フォスターさん宅の子になる場合も十分あり得ます。その子を迎え入れる事によって、余裕がなくなり、フォスターできなくなるという可能性もあるので「おちこぼれフォスターさん」と呼びますが(あくまでも愛情を込めた呼び名であり、愛護団体さんからの感謝の気持ちは変わりません)、愛護団体さんにとっても、大切な犬や猫の幸せを考えたとき、このお宅が一番いいと納得する場合にあるハッピーエンディングです。ですが、よほど「びびび!」っとこない限り、最初から「この子は出て行く子で、私はそのプロセスのお手伝いをしているんだ。」と一時的な感情に惑わされる事なく、その子にとって一番いい選択をしてあげて下さい。

フォスターの喜び

一匹の犬や猫のフォスター期間は場合にもよりますが、短くて2週間〜1ヶ月。長いときは1年近く預かるという時もあります。うちにいた期間がどれだけ短くても、新しいお家にもらわれていった動物達の事は気になりますよね。団体さんや新しい飼い主さんにもよりますが、時には新しい飼い主さんからたまにメールなどで近状報告してもらう事もあり、うちに来たばかりの時は、怖くておどおどしていた犬が、今や新しい家族とリラックスして楽しく暮らしている様子を見たり聞いたりする事が、フォスターさんにとって一番嬉しい瞬間ではないでしょうか?自分がフォスターをしていた事によって、この犬の今がある。ちいさな自己満足ですが、それも小さな自分へのご褒美として感じていい事だと思います。

一匹のフォスター犬や猫がもらわれてゆくと、自分の準備が出来ていれば、また次のフォスター動物を迎え入れる事ができます。こうして一匹づつですが、命が繋がれてゆくわけです。フォスターさんの喜びは最初の一匹から次の2匹目、3匹目と続いてゆきます。一つ一つは小さくても、尊い命。それをただ耳で聞いて感じるのと、その命を目の前にするのでは感じ方も感謝のレベルも全然違うと思います。自分が「与えている」と思っていた命なのに、本当は自分が数えきれない程の喜びと幸せを「与えられた」事の方がずーっと大きかったと、きっと感じていただけると思います。

これからも皆さんの周りで満たされたしあわせな動物達が増えます様に。読んでくださってありがとうございました。次は実際にフォスターを何度も経験してきた方々にアンケートを取り、その経験談などをお伝えしたいと思います。しばらく間が空くかもしれませんが、私のツイッターで報告しますので、是非フォローお願いします

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