【米国発】連載コラボ企画!第1回目:「犬が怖がってる時は抱きしめてあげるのが一番良い」は本当?

犬を知る!=犬との共存

犬を愛する心は誰にも負けないけれど、愛犬が言う事を聞いてくれない・・・大好きな犬の役に立つ様なボランティアがしたいけど、犬の事良く知らないし、経験がなくて自信がない・・・。そんなふうにお考えの皆さん、大好きな犬達と幸せな生活が出来るように、また少しでも犬達の役に立てる様に、アメリカにて犬のプロフェッショナルとしてご活躍の寺口麻穂さんとタッグを組み、「犬を知る!」と題した連載を始めることになりました。1週間に1回の割合で更新し、犬の心理学&行動学やしつけ、食事やケアからホリスティック療法など幅広ーくカバーしてみたいと思っています。一つ一つを短めにまとめ、この連載を読むごとに犬についての知識が増えてゆくという事を目的としています。記念すべき第一回目は「怖がる犬への対処方法」。それでは始めま〜す! 〜Big Tree for Animals

──Big Tree:3月11日に起こった地震と津波による被害で人間だけでなく沢山の動物達も被災しました。今回無事にレスキューされた犬達は(個人活動家さん&動物愛護団体さんありがとう!)これから一時預かりのボランティアさん宅でのリハビリや、新しい里親さんにもらわれてゆく事になりますよね。震災でのトラウマに加え、新しい環境の中で訳がわからず、怖がっている犬達への対処の仕方なんですが、やっぱり人間と同じ様に「大丈夫だよー。」ってぎゅーっと抱きしめてやると安心するのかなぁ?って思う方もいらっしゃると・・・麻穂さん、答えはいかに?

──麻穂:わたしたち人間は往々にして、「犬=ぬいぐるみ」とか「犬=人間」と勘違いしてしまうために、「犬を犬として見るというスキル」に欠けているところがあるように思います。犬と出会うとやたらに触りたがる人がいますが、知らない犬と最初に会った時は、1)いきなり触らない、2)犬は人間に触ってほしいのだと勘違いしない、3)犬はいきなり触られると困惑するということを覚えておきましょう。犬だって、同じ犬や人間と「知り合う」ために時間をかけます。人間同士でもいきなり会った人に抱きついたり、キスしたりしないのと同じで、出会ったばかりの犬には時間をあげ、こちらも時間をかけて仲良くなりましょう。質問の中の「ぎゅーっと抱きしめる」という件ですが、いきなり触ることですらNGなのですから、「抱きしめる=犬から逃げ道を奪う」ということになるので、それは犬をかなり追い詰めてる行為といっても過言ではないと思います。もちろんパピーなど個々でスーパーフレンドリーな犬もいないわけではありませんが、一般的にはいきなり触りまくる、抱きしめるということはNGです。

人間同士でもいきなり会った人に抱きついたり、キスしたりしないのと同じで、出会ったばかりの犬には時間をあげ、こちらも時間をかけて仲良くなりましょう。

──Big Tree:なるほど。犬好きにとっては犬に出会うと嬉しくてすぐに撫でたり声をかけたりしたくなっちゃいますが、本当に犬の事を大切に思うならばそういった欲求をぐーーーっとこらえる事も必要ですね。それでは初対面の犬に対する正しい対応方法っていうのはどんな感じでしょう?

──麻穂:シェルターにやって来たばかりの犬の中で、ケネル(犬舎)の角で震えていたり、設置してあるケージの中に隠れて怯えている犬と打ち解けるためにわたしがよくすることは、ある程度のスペースを置いて、どっかり座りこみ、リラックス~で何か全くその犬と関係ないこと(例えば雑誌を読む、簡単なノート取りの整理をする、携帯でメールを打つなど)をいそいそとやったりします。その際に大事なのは、犬と真正面に向かい合うような態勢にならない。犬には自分の側面を見せてるのが一番だと思います。また、目を合わさない、凝視しないこともとっても大切です。後はもちろんこちらがその犬を怖がらないこと。怖がっているとそのエネルギーが必ず伝わります。そうすると犬は余計に警戒したり不安を覚えます。それから、あまり喋りかけすぎるのも逆効果だと思います。鼻歌を歌うとか、独り言をつぶやくのはこちらがリラックスしているところを見せる良い行為なのですが、犬に向ってやたらと話しかけない。これも大切です。特にその犬を哀れんで慰めるような言葉掛けは、不安な犬をもっと不安にしてしまいます。

緊張している犬はなかなか物を食べませんが、小さく切ったホットドック、チキン、チーズなどを使って食べ物で緊張を解いてあげる、友達になるという手も良く使うことがあります。

新しい里親さん(アダプション)にもらわれて行く犬が怖がりやさんだったり、人見知りが激しいような犬の場合は、新しい家族の方たちに、「犬に構いすぎないで、いつもしているような行動をいつも通りにしていてください。」とアドバイスします。そうしているうちに犬もだんだん状況を学習し、リラックスしてくるので、犬にその機会と時間をあげてください。

とにかく不安がっている犬と仲良くなるためには時間をかけてゆっくりと一歩一歩正しいステップを踏むことが大切です。

──Big Tree:麻穂さんありがとうございました。それではまとめてみましょう!

【次回】犬のボディーランゲージ

人間にもあるように犬にもボディーランゲージというものがあります。犬が「落ち着こう」としたり相手に「敵意がない」という事を見せるときに出す「カーミングシグナル」やストレスを感じている時に出す「ストレスサイン」を学ぶ事も大切なので、次回は犬のボディーランゲージについて徹底的にお話したいと思います。

このコラボ企画「犬を知る!」では質問を受け付けています。犬について知りたい事があればお問い合わせページよりお寄せください。

寺口麻穂さんと愛犬のジュリエットちゃん

寺口麻穂

ドギープロジェクト、オーナー、米国ニュージャージー州のシェルターボランティア、アダプション・カウンセラーなど犬のしつけ・訓練に関するスキル、犬とのコミュニケーション法、犬の心理学などの知識を備え、長年の経験を積んだ犬のスペシャリスト。アメリカで発行されている日本人向けの情報誌、U.S. FrontLineにて「ドギーパラダイス!」というコラムも連載中。 URL: www.doggieproject.com ブログ:犬のこころ」 Blog (English): Doggie Paradise! Facebook:ドギーパラダイス!

プロフィール:

1988年に大阪を出て、「英語」と「世界」を学ぶためサンフランシスコ・ベイ・エリアに上陸。大学・大学院で文化人類学を研究した後、1999年に愛車で大陸横断し、東海岸に移住。2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件をきっかけに「子供の頃からの夢を現実に!」と犬のプロになる決意をし、人間の専門家から犬の専門家にキャリアチェンジ。地元のアニマル・シェルターでボランティアをしながら、個人でビジネスも立ち上げ、犬と飼い主がより充実した生活を送れるようその指導に日々励んでいる。11年前にシェルターから酷い虐待を受け捨てられたジュリエットという女の子のピットブルをアダプトする。この11年間、「運命共同体」としてお互いなくてはならない存在になる。2011年7月25日、沢山愛されたジュリエットは推定13歳で虹の橋へ。2012年2月シェルターにて生後5ヶ月のピットブルテリア、ノア(♂)を譲渡し、共同生活を始める。

【免責】

こちらに記載しているアドバイスはあくまでも一般的状況においての事柄です。各家庭における犬の問題行動にはそれぞれの環境や状況などが関係してきますので、寺口麻穂及びBig Tree for Animalsはそれらのひとつひとつにお答えする事はできません。又両者はこれらの記事の閲覧によって生じたいかなる損害にも責任を負いかねます。飼っている犬の問題行動への解決にはプロのトレーナーさんにかかる事をおすすめします。

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