【アメリカ発】ボランティア活動 Saki Andersonさんへのインタビュー

アメリカでお仕事をしながら、ご主人と愛猫のタヒチちゃんと暮らすSakiさんは、アリゾナ州にあるSPCAと動物愛護団体の2団体にて、ボランティア活動を掛け持ちする女性です♫興味はあるんだけど、いざ始めるとなると、「私にできるかなー。」なんてちょっと不安になってしまう方もいるかもしれませんね。そこで、ボランティア活動を「ライフワーク」として楽しんでらっしゃるSakiさんにお話を伺う事にしました。 〜Big Tree for Animals

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──Sakiさん、今日はBig Tree for Animalsのインタビューにお答え頂きありがとうございました。Sakiさんは米国アリゾナ州でお仕事をなさる傍ら、Arizona Animal Welfare League & SPCAAll About Animals Rescueの2つのシェルターでボランティアをなさってるそうですが、ボランティア自体に関わるきっかけは何でしたか?日本でも動物愛護に興味があったり、ボランティアをなさったりしてたのでしょうか?

3匹の猫と同居ということになり、「エライことになった!」と思ったのですが、何故か心配していたアレルギーはどこかへ去ってしまい、しかも、義弟と主人に「猫洗脳」され、スッカリ猫好きに・・・

アメリカに来る前に、日本、イギリスに住んでいましたが、ボランティアに携わる機会はありませんでした。それどころか、きちんと犬、猫を飼った経験もありませんでした!実は、悲惨なほどの猫アレルギー持ちだったんです!主人が義弟と一緒にアパートをシェアしていて、私達の新居が決まるまで、3人で住んでいたんですが、その時既に義弟 が3匹の猫を飼っていて、有無を言わさず猫も同居ということになり、「エライことになった!」と思ったのですが、何故か心配していたアレルギーはどこかへ去ってしまい、しかも、義弟と主人に「猫洗脳」され、スッカリ猫好きに・・・そして、私達の住むところが決まった時に、3匹のうちの「Tahiti(タヒチ)」を引き取ってくれないかと、義弟に頼まれました。

タヒチはクラッシュという、若いオスの猫のいじめに遭っていて、見かねた義弟が私達に託したのです。その時タヒチは既に9歳。何年も辛い目に遭って来たので、他の猫を迎え入れることが考えられず、一匹だけで甘やかしてあげよう!ということになりました。でも、猫好きが増していく度に、「もっと猫がほしい!」という気持ちが出てきて、そこで思いついたのが、近所のシェルターでのボランティアでした・・・最初は本当に、こんな感じのノリからだったんですが、シェルターの状況や、ホームレスの動物のことを学ぶにつれ、どんどんと真剣になっていったわけです。

タヒチ
Sakiさんの愛猫タヒチちゃん

──現在のボランティア内容を簡単に教えて頂けますか?

猫舎で、猫のソーシャライズ(人慣れすように、猫と時間を共にしてあげる)、掃除全般、爪切、ブラッシング、投薬の手伝い、里親希望の人への案内、説明、里親さんの住所録作成、シェルターのウェブサイト用の猫プロモーションビデオ作成、猫の一時預かり。後は、その時、その時に応じて、イベントの手伝いをしたりしています。また、日本のミュージックレーベルsomodeの動物保護活動を、彼らのFacebook Fan Page(英語版)の作成のお手伝いしています。

──ボランティア活動をしていて一番やりがいのある事は何でしょう?

全てです!やりがいのないことなんて、一つもありません。私が作った動物のプロモーションビデオを見て、猫に会いに来た人が、その猫を引き取ってくれたりするのも最高だけど、汚れた猫の部屋を一人で掃除して、綺麗になった床や、猫のケージを見た時に感じる清清しさに「やりがい」を感じることもしばしばです。直接の繋がりは目には見えませんが、こういった小さなこと全てが、命を救うことに繋がっているからです。

──反対に辛いと思った事はありますか?

なかなか貰われない猫がいることですね。2年以上シェルター暮らしのコがいたりして、「今週こそは!!」って思ってシェルターに行くと、まだいたりする。これはかなり、辛いです。また、一旦貰われていった猫が、シェルターに返されて来ることがあるのですが、返されて来た猫を見ると、涙が出そうになります。

──ボランティアをするという事はSakiさんにとってどういう事でしょう?

本職は他にあるのですが、今は本職が「副職」で、ボランティアが「本職」状態です。まさに、「ライフワーク」です。残念ながら、一個人の力では、全ての動物を救うことは不可能ですが、少しでも多くの命を救うことに貢献したいです。大変なことが多いのも事実ですが、一つ一つの活動が、私の毎日のエネルギーになっています。

動物の保護や、一時預かりは出来なくても、他のことでその活動を助けることも可能です。例えば、会社で事務をしているのなら、それを生かして、私がやっているような、「住所録の作成」や、その他必要書類の作成等を、自宅から手伝うことが出来ます。

──ボランティアする時間はないけれど、何か私にできる事はしたいなーと思っている方がいるとすれば、どんな事ができると思いますか?

アメリカでは、動物の保護や、一時預かりは出来なくても、他のことでその活動を助けることも可能です。例えば、会社で事務をしているのなら、それを生かして、私がやっているような、「住所録の作成」や、その他必要書類の作成等を、自宅から手伝うことが出来ます。また、レギュラーで出来なくても、都合が合った時に、譲渡会のお手伝い等をすることも可能です。

まずは、「何かしたい」と思ったら、ボランティアさん個人、保護団体等に連絡を取って、自分の出来そうなことと、空き時間のスケジュールを説明し、仕事があるかどうかを問い合わせることをお勧めします。また、不要になったタオル等を必要としている施設もあるはずなので、問い合わせた上で、寄付することも可能ですよね。

──シェルターにいる動物達は、今彼らがおかれている状況をどこまで理解していると思いますか?

シェルターにいる時は、とてもシャイで、隠れてばかりいたコが、里親さんに引き取られた後、驚異的な性格の変化を見せ、ものすごい甘えたになったりする例はいくらでもあります。動物だって、捨てられれば傷つくと思います。そして、自分の大好きな飼い主さんがいない、集団生活を余儀なくされるシェルターで、自分の本当の性格が出せないでいたとしても、不思議ではありません。

何度も捨てられて、シェルターに来たコは、難しい性格になってしまっていたりもします。シェルターにいる動物は、自分がおかれている状況を知っています。私達のように、はっきりとした認識の有無は分かりかねますが、自分が「捨てられた」ということは、確実に認識していると思います。

──動物は人間の心を読み取る能力があるといいますが、そういった意味で動物達と接する時に気をつけている事などはありますか?

話す時に、絶対目の高さを同じにします。そして、大きな声は出さないように、子供に話すように出来るだけ話ます。私の猫のタヒチは、私が機嫌が悪いと、心配してジ~~~ッと見てたりしますが、それは慣れがあってのこと。彼らは、本当に人の「ムード」を読みますから、嫌なことがあったりした日でも、シェルターでは絶対にそれを出さないよう、心がけています。うちの猫のように、私の機嫌の悪い日に慣れがないと、みんな一斉に引いてしまうでしょうね。(笑)

猫は縄張り意識が強い生き物なので、場所が変われば慣れるまでに時間を要します。最低でも、2週間程は様子を見てあげてほしいです。

──猫を初めて飼う方にアドバイスする事はなんでしょうか?

よくあるのが、「隠れて出てこない」「懐かない」等の理由で、2、3日でシェルターに返しに来る人がいます。猫は縄張り意識が強い生き物なので、場所が変われば慣れるまでに時間を要します。最低でも、2週間程は様子を見てあげてほしいです。2、3日で、自分の「飼い猫」になりきってしまう猫は、意外と少ないということを知っておいてほしいです。あとは、人間用に味付けされた食べ物や猫にとって有害な食べ物(主に人間のツナ缶、ハムなどの加工食全般など、後はグーグルなどで「猫に食べさせてはいけないもの」などで検索すると簡単に出てきます。)などはあげないで下さい。よかれと思っても、彼らにとっては有害なもの方が多いのです。

──シェルターで猫をアダプト(里親になる)するという事のポジティブな影響についてお話頂けますか?

「既存の命を助ける」ということです。ペットショップや、ブリーダーの下にいる動物は、「意図して作られた」生き物です。産まれたた以上、もちろんそれらの動物も絶対蔑ろにされるべきではありません。が、彼らを買って、ショップやブリーダーのビジネスを商的に成立させてしまうと、どんどん人工的に作られる動物が増える事になりますよね。そして、それらの動物が全て幸せになれるかというと・・・残念ながらそうではないのです。

売れ残ってしまったりした動物の末路は、殺処分になってしまったり、更なる繁殖に利用されたりします。そういった「無駄に扱われる命」が製造されるのを無くすには、ショップやブリーダーのビジネスを商的に成功させないこと。すなわち、シェルターで「既存の命」を引き取ることにより、彼らのビジネスを封じることです。それによって、無駄にされる命の製造も止まるのです。

また、シェルターの動物は、虚勢済みであり、ワクチン等も摂取もされ、健康管理もきちんとされています。そして、「買う」よりリーズナブルな値段でペットを引き取ることができます。因みに、私がボランティアをしているArizona Animal Welfare Leagueでは、虚勢済み、ワクチン接種済み、マイクロチップ、餌一袋、おもちゃ、首輪付きで、成猫$50(五千円弱)、子猫$75(七千円弱)で引き取ることが出来ます。

──Sakiさんは新しい飼い主さんが見つかるまでの猫の一時預かり(フォスター)もしていらっしゃるそうですね、フォスターをするにあたって一番大切な事はなんでしょうか?

色々な団体や、フォスターさんによって、色々だと思いますが、私は必ず、一緒にいる時間を出来るだけとって、ソーシャライズ(人馴れさせる)ように心がけています。これは、猫が人馴れしている状態で引き取ってもらうという目的と、猫の性格を細部に渡るまで、把握するという目的があります。そうすることにより、里親希望の人が出てきた時に、細かな性格まで説明することが可能になり、その性格を納得してもらった上で、引き取ってもらうことが出来ます。このことは、猫が再び返されてこない為の「予防」になります。(編集者注:シェルターや保健所にいる多くの動物達は、そこに収容されている他の動物や、入れ替わり入ってくる多くの人間、大きな音などのするシェルターの状況に怯え、本来の性格が出にくくなっている事が多いので、新しい飼い主が見つかるまで、一時預かり(フォスター)で一般の家庭に入る事によって、落ち着きを取り戻し、譲度のチャンスが大きくなるという事です。)

──フォスターで嬉しかった事、または大変な事なども教えて下さい。

Velvet
フォスター猫のベルベット

嬉しかったことは、「難しいだろうなぁ・・」と思っていた、猫エイズのコに、1週間で引き取り手が見つかったことです。これは、もう、言い表しようがないくらい嬉しかったです!大変なことは・・・現在、Velvet(ベルベット)という黒猫をフォスターしているのですが、譲度会に連れて行くのに、苦戦しています。Velvetは、「これ以上はない!」というくらい、甘えたで、本当にフレンドリーないい猫なのですが、まず、車が駄目。家から会場に着くまで、休みなく鳴き続けます。そして、譲度会に出すと・・・全く彼女のセールスポイントを見せることが出来ません。確かに怖いですよね・・急に、全く知らない騒がしい場所に連れていかれて、大勢の人間に囲まれて・・・イベントが終わる頃には、猫も、犬も、人間も、みんな大ッキライになっていました・・・家に帰ってきて、2、3日は、ソファーの下に隠れていました。ですので、一週間、イベントからお休みをもらいました。

猫にはそれぞれの性格があるので、それを見つつイベントに連れていかなければならないのは、結構大変です。イベントに出なければ、里親さんも見つからないし・・どうやったら、本来の彼女の性格を出してもらえるか・・検討中です。

──フォスターしているとその子に新しい飼い主が見つかった時に手放したくない!と思ってしまったりしませんか?気持ちの切り替えはどのようにしていますか?

かなり難しいですね。やはり、クヨクヨしばらくその猫のことを考えたりもします。効果的なのは、間隔を空けず、次のフォスターを入れてしまうことですね。猫が家に慣れるまでは、気が抜けないので、いい切り替えになります。Velvetの次は、猫白血病のコのフォスターをする予定です。

──フォスターしてみようかな・・・でもちょっと不安だし、どうすればいいのか分からない、と思う方にアドバイスを頂けますか?

私も最初は、「絶対無理!」と思っていました。が、いざやってみると、意外と出来るものです!不安でも、思い切って受け入れてしまうことです。猫の飼育経験がある方なら、一旦猫を迎え入れてしまえば、絶対、「な~んだ!」と思えます!それでも不安が残るのなら、フォスターの経験者に、その都度アドバイスを求めるのも手です。私の場合は、レスキュー団体からフォスターしていますので、何かあったら、団体代表に相談します。

──Sakiさんの周りにはボランティアとして活動している方が沢山いて、その中でもTNR活動をなさる方も沢山いるそうですね。アメリカのTNR活動ではどのような事をしますか?

Feral cats by Guadalupe River
Feral cats by Guadalupe River / donjd2写真と本文は無関係です。

TNRとは、「Trap」(捕獲)「Neuter」(虚勢)「Return」(元いた場所に返す)の略称です。

野良猫を捕獲し、虚勢手術を行い、元いた場所に返します。こうする事によって、猫の繁殖を防いで、殺処分になる猫の数を減らすことを目的として行います。また、ほとんどの場合、捕獲した猫にはワクチン接種も行うので、伝染病の蔓延も防ぎます。ここで、「何故、シェルター等にこれらの猫を保護しないのか?」と思われる方もいらっしるかも知れません。もし猫が、「Stray(ストレィ)」(迷い猫、人に飼われていたことがある)なら、それも可能かも知れません。が、ほとんどの場合、これらの猫は「Feral(フェラル)」(野良猫、人には懐かない)なので、「飼い猫」になるには適さないのです。先ほども言いましたが、猫は、非常に縄張り意識の強い生き物で、「場所」に着きます。ですので、猫にとっては、無理矢理に別の場所に移動させらてしまうよりは、元からいた場所に返してあげた方が、生活を続行しやすのです。

また、別の場所に移動させても、元いた場所に帰ってくるパターンがほとんどです。アメリカには、TNRを行っているレスキュー団体が多く存在し、個人でTNRを行う場合、最寄の団体に連絡すると、TNRの指導を行ってくれ、猫を捕獲するための捕獲器(安全で人道的な捕獲器)を貸し出してくれます。大抵の場合、そのレスキューグループが格安で虚勢手術、ワクチン接種等をおこなってくれます。そうでな場合、かならず格安で虚勢、ワクチンの摂取を行ってくれるクリニックのリストを常備していますので、最寄の場所を紹介してもらえます。

──日本でも個人レベルでTNR活動なさっているが沢山いらっしゃると思います。日本では避妊/去勢の費用がまだまだ非常に高く、個人で活動なさっている人には大変な出費のようですね。アメリカでは避妊/去勢の費用はどのくらいですか?そして、その費用は皆さん自腹なんでしょうか?

場所にもよると思いますが、アリゾナ州フェニックス市では、Altered Tails Barnhart Clinicという、NPO法人の虚勢専門クリニックが、オス猫$25(2千円程)、メス猫$40(四千円弱)で手術を提供しています。また、Arizona Humane Societyは移動クリニックを出して、格安で手術を提供しています。日によっては、「先着○○名様まで無料!」というサービスを行っているようです。カリフォルニアでは、$10(千円弱)のところもあると聞きました。

──避妊や去勢は「自然に逆らう」行為で、かわいそう・・・と思っていらっしゃる方々に何かアドバイスはありますか?

実は・・・虚勢しない方が可哀想です。去勢しないで室内で飼育した場合、繁殖期の猫は本当に苦しみます。そして、避妊をすると、年を取った時に発病しやすくなる、乳腺腫瘍や、子宮蓄膿症などの病気を防ぐこともできます。野良猫の場合、避妊/去勢をする事によって、他の猫との接触の確率も低くなりますので、伝染病の感染を防ぐことも出来ます。繁殖を減らし、殺される為に生まれる命を救い、そして、既存の命も救います。虚勢は、猫をこれらのことから守る為の、飼い主の義務だと思います。「かわいそう」と言って去勢をしないことは、実は、可愛い猫の命を、危険にさらしているも同様なのかもしれません。殺処分の数を減らすには、ここから始めるのがいいのではないでしょうか。

──最後に、Sakiさんはシェルターで、主に猫を担当していらっしゃる様ですが、猫の魅力ってSakiさんにとって何でしょう?

これはあくまでも、私個人の意見ですが・・・まず、サイズが好き。そして、柔らかい。媚びない。私達が飼い主だと思っていても、実は、猫が私達の飼い主だった・・(!!)的なとこが好きです。そして、一匹、一匹の持つキャラクターの深さ・・・!!一緒にいて飽きないのが、猫の魅力だと思います。

──お時間ありがとうございました。今後のご活躍期待しています!

こちらこそ、有難うございました!!

Saki Anderson

Saki Anderson (@coolfish7)
アメリカ在住年数:6年目(2011年現在)
プロフィール:日本、イギリスを経て、現在アメリカ、アリゾナ州、フェニックス在住。アメリカ人の夫と、黒猫のタヒチの3人(?)暮らし。2006年よりArizona Animal Welfare League & SPCAと、去年からAll About Animals Rescueで掛け持ちボランティアをしつつ、たまに野良猫チェダーの餌やり係りもしている。日本のミュージックレーベル「somode」の動物保護Face Book Fan Pageのサポート。が、本業は別にあり。野球とバスケファン。Arizona Diamondbacks, Phoenix Sunsのファン。SomodeのWanColumn(ワンコラム)にてコラム「日本人がアメリカで、ボランティアをしてみた。」公開中。

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