今や世界で有名になったドッグ・ウィスパラーのシーザーミラン氏。「犬をリハビリし、飼い主を訓練する」という言葉をモットーに全米で犬の本来のバランスを取り戻す為に飼い主を訓練し続けている彼。一部では「彼のトレーニング法は古い、時代遅れだ、犬に無理矢理アルファを押し付けていて残酷だ。」などの批判も出ていますが、私が個人的に感じる所では、シーザーさんの方法は非常に直感的で、本能的で、決して犬を力で押さえつけているようには見えません。逆に彼の周りにいる犬達は彼を尊敬し、犬としてのバランスがとれていて、彼の周りでは非常に安心し、落ち着いて、そして輝いているように見えると思うのは私だけでしょうか?
—シーザーさんのスタッフのオフィシャル追悼コメント
さて、毎回犬としてのバランスの崩れた子達の元へゆくシーザーさんのお供として活躍していたピットブルテリアの「ダディ」。シーザーさんがダディをバランスの崩れた犬の元に連れてゆくと、それまで恐怖の中で動けずにいた犬が殻から出る事ができたり、何が問題なのかが分かったりなど、シーザーさんにとっては家族である事はもちろん、かけがえのないパートナーでしたが、残念ながら2010年2月19日に16歳にて永眠。今月の19日で彼の死から一年をむかえます。未だにダディの映像を見ると彼のソウルフルな瞳の中に引き込まれ、そしてもうその姿が見られないんだなーという、何ともいえない寂しさを感じます。
アメリカでは闘犬問題(ドッグ・ファイティング)が非常に大きく取り上げられており、特にピットブル・テリアという犬種がその闘犬に使われているため、本来は飼い主に忠実で、ユーモアのある愛すべき気質なピットブル・テリアですが、アメリカ人の多くの人の中では「危ない犬」「噛む犬」「子供を近づけてはいけない犬」などのイメージをつけられています。確かに、ピットブル・テリアは非常にパワフルな犬種な為、きちんとしたリーダーになれる人が飼い主になるべきですが、その犬に社会性をつけて育てれば、子供にも安全で素晴らしいベビーシッターにもなってくれるでしょう。(犬を飼う時にはその犬種についてきちんと勉強し、その犬種のライフスタイルが自分のスタイルにあってるかどうかを確認する事が大切です。)ダディのお陰で沢山の人がそのピットブル・テリアについての偏見を見直し、沢山の命を救う事になったのではないでしょうか?ダディ、おつかれさまでした。
シーザーさんはダディが歳をとって来た為、彼を引退させる用意として、ダディの後を引き継ぐ二代目であるピットブル・テリアのジュニア(Jr.)をダディと共に育てて来ました(ビデオにも出てくるグレーのピットブル)。ダディ亡き後、現在はジュニアがシーザーさんのパートナーとして犬のバランスを取り戻すべく、全米、そして世界を旅しています。(国によっては、まだピットブル・テリアの入国を拒む事もあるそうですが・・・。)そんなダディへの追悼ビデオを見つけましたので掲載しました。ダディありがとう。
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