米国ワシントン州ヤコルト、2012日5月3日──「プリンセス・ナタリー」が留置所で皇族のように大切にされる以前、彼女がまだ子猫だった頃、もう一匹の猫と一緒にケージに入れられ、相手にされるのはお水と餌をもらうときだけでした。
そんな環境の中、ナタリーは人や他の猫を恐れるようになります。彼女が新しい家に譲渡されてからも、新しい飼い主さんに「シャー!」と唸ったり、部屋を汚したり、噛んだりしたのです。新しい飼い主さんは彼女の事を諦め、シェルターに手渡しました。
そのシェルターで、ナタリーは殺処分される事になっていました。しかし、ワシントン州にある軽警備の刑務所で行われているあるプログラムの存在のお陰で殺処分を逃れ、2人の囚人達との暮らしを始める事になったのです。
6歳になる長い毛をもつ黒猫は囚人達の部屋で暮らし始めます。そこで、散歩に出してもらったり、マナーを学んだりするのです。囚人で28歳のジョーイ・コントレラスさんにとって、ナタリーとの暮らしは40人もの囚人が暮らす寮から、2人部屋への移動というチャンスでした。
コントレラスさんと彼の同房者は、ラーチ刑務所の「カドリー・キャッズ(抱きしめたくなるような猫達)」と呼ばれるプログラム参加するための適正審査をパスした合計4名のうちの2人です。
「ナタリーの事を誰も欲しがらなかったんだ。」コントレラスさんは言います。「だから俺たちがナタリーと過ごす事になったんだ。それからは最高の毎日だよ。」
しかし最初はそうも簡単には行かなかったようです。「聞いていたとおりだったよ。気分屋で、普通じゃなかった。すぐに攻撃的になるしね。」しかし今ではすっかり変ったナタリーがいました。
今ではナタリーの事を撫でたり、ブラッシングしてやったり、数分なら抱っこしても平気になりました。まだ低い声で唸る事もありますが、シャーッ!という声をあげる事はなくなりました。爪研ぎ用の板や、小さな部屋のほとんどをうめる程もある猫用の止まり木なども用意されてあります。コントレラスさんは彼のルームメートの囚人と交代でナタリーの世話をしています。
このプログラムで飼われているもう一匹の猫、半分ペルシャ猫の血の入った猫、クレメンタインは、囚人のリチャード・アマロさんによってお世話されています。彼はこの経験を単なる現実逃避だけではなく、もっと意味のあるものになっていると語りました。
「気持ちが入っちゃうんだよな、猫達に。」とアマロさんは言います。
近い将来この刑務所ではあと4匹の猫達を迎えたいと思っているようです。このプログラムに参加できる囚人は品行方正でなくてはいけません。違反行為があると、刑務所の一般集団のいる所に帰らなくてはならなくなります。
自分以外の事は考えなかった囚人達は、猫との同居生活によって、チームワークというコンセプトを学ぶ事が出来ると言うのはこの刑務所のカウンセラー、モニーク・カマチョさんです。
「刑務所では、みな自分の事が第一だと考えているのです。しかし今では自分以外の存在の事をお世話して、責任を持つという経験をしています。
ナタリー、クレメンタイン、囚人のコントレラスさんやアマロさんの写真を見る&動画もあります☆
http://abcnews.go.com/US/wireStory/bunking-cats-inmates-learn-teamwork-16267625#.T6SGWJ9Ysso