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【カナダ最新情報】マニトバ州が犬の断耳手術を法律で禁止 – 動物福祉の進展

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カナダからの嬉しいニュースです。犬の見た目を一定に見せるために行ういわゆる「美容整形」が断耳&断尾です。例えば自分が悩みに悩んでいるコンプレックスを直す為に自分でじっくりと考えて、納得してから行う「美容整形」ならば、私は応援したいと思いますが、人間の言葉を話さない動物に強要するのには正直違和感を覚えてしまいます。当然の様に行われる断耳&断尾ですが、人間が他の生き物を「私用物」として扱い、同じように暖かい血の流れる尊い存在であるという事を忘れかけかけた結果なのかもしれませんね。3月11日の大震災以来、被災した動物達や飼い主さん達を気遣い、何とかしたいと行動を起こす方々のお陰で、日本では、動物福祉への流れが変わりつつあると思います。ですので、こういった部分も徐々に変わってゆくんだろうなと期待しています。アメリカやその他の地域でもこの動きが広まってくれると嬉しいなと思います。以下、ライフ・ウィズ・ドッグズに掲載されていた記事を大まかに訳してみました。 〜Big Tree for Animals

マニトバ州が動物福祉の新たな一歩を踏み出す

カナダのマニトバ州から動物愛護に関する朗報です。同州では犬の断耳手術(イヤークロッピング)を法律で正式に禁止しました。この決定により、純粋に美容目的で行われる犬の耳の形を変える手術が違法となります。

断耳手術とは、ドーベルマンやグレートデンなど特定犬種の耳を部分的に切除し、立ち耳にする手術です。この手術は医学的必要性がなく、単に見た目や犬種標準に合わせるための美容的処置とされています。

断耳しているドーベルマン(左)と自然なままの耳のグレートデン(右)

断耳手術の問題点と動物福祉の観点

断耳手術には以下のような問題点があります:

  • 痛みと苦痛: 手術自体と回復過程で犬に痛みを与える
  • 長期的な回復期間: 麻酔後、6週間もの間、切除した耳を固定するためのテーピングが必要
  • 感染症リスク: 稀ではあるものの、手術後に深刻な感染症を引き起こす可能性がある
  • 不必要な医療行為: 犬の健康や機能向上に寄与しない純粋な美容目的の処置

アンダーソン動物病院のロン・ウォーブ獣医師は次のように述べています:

「我々は動物を守ることを重視しています。獣医師として、犬種の標準基準そのものを変えていく必要があると考えています。」

マニトバ州の新法と罰則

マニトバ州では、この新法により断耳手術を行った獣医師は州の動物保護法違反として罰せられます。具体的な罰則は:

  • 初犯:約38万円(5,000カナダドル)の罰金
  • 最高額:約240万円(32,000カナダドル)の罰金

動物福祉の今後の展望

近年、マニトバ州内の多くの動物病院はすでに断耳手術の要請を断っていました。しかし一部のブリーダーは、アメリカやオンタリオ州など他の地域で断耳手術を続けているとの報告もあります。

現在の法律では断尾(テイルドッキング)は禁止対象になっていませんが、同様に不必要な美容処置として徐々に人気を失いつつあります。

断耳手術が行われる主な犬種:

  • グレートデン
  • シュナウザー
  • ボクサー
  • ドーベルマン
  • ミニチュア・ピンシャー

日本における動物福祉の動向

2011年3月11日の東日本大震災以降、被災動物や飼い主への支援活動を通じて、日本でも動物福祉への意識が高まりつつあります。このような海外の動きが日本にも波及し、動物の権利や福祉に関する理解が深まることが期待されます。

人間のコンプレックスを解消するための自発的な美容整形と、意思表示のできない動物への強制的な処置は本質的に異なります。動物も私たちと同じく、尊い命を持った存在であることを忘れてはならないのです。

オリジナル記事「ライフ・ウィズ・ドッグズ」:http://www.lifewithdogs.tv/2012/02/manitoba-bans-ear-cropping/

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