保護犬のフォスター(一時預かりボランティア)に興味を持っている方々は、犬たちに新しい人生のチャンスを与える素晴らしい一歩を踏み出そうとしています。保護犬のフォスターとは、里親が決まるまでの間、保護された犬を一時的に自宅で預かり、ケアをするボランティア活動のことです。フォスターを始める前に、知っておくべきことや心構えをまとめてみました。保護犬フォスター活動のきっかけや参考になれば嬉しいです。〜Big Tree for Animals

1. 保護犬のフォスターとは?基本を理解しよう
保護犬のフォスターとは、保護団体やシェルターが引き取った犬を、里親が決まるまで一時的に自宅で預かり、お世話をするボランティア活動です。フォスターの役割は、犬に安心できる環境を提供し、基本的なしつけや健康管理を行い、新しい家族に引き渡す準備を整えることです。
フォスターには以下のような特徴があります:
- 預かる期間はさまざま:数日から数ヶ月、場合によっては数年預かることもあります。
- 費用は基本的に愛護団体負担:フードや医療費は保護団体が負担することが一般的ですが、事前に確認が必要です。私は個人的には医療費以外は自費で払います。
- 犬の背景はさまざま:虐待や放棄された犬、迷子犬、健康問題を抱える犬など、さまざまな背景を持つ犬がいます。ご自身の経験によって、ケアする犬を考えるのも必要になります。
まずは、あなたが住んでいる地域の保護団体やシェルターのウェブサイトを確認し、フォスターの募集状況や条件を確認しましょう。多くの団体では、フォスターを始める前にあなたの経験などを記入したアプリケーションなどの提出、面接やトレーニングセッションが用意されている場合もあります。
2. 保護犬フォスターに必要な心構え
保護犬のフォスターを始めるにあたって、心の準備が非常に重要です。以下は、フォスターを始める前に考えておくべきポイントです。
犬との別れを覚悟する

フォスターの最終目標は、犬が生涯大切にしてくれる家族(里親)を見つけることです。そのため、フォスター期間が終わり、犬と別れる瞬間が必ず訪れます。犬と深い絆を築いた後に別れるのは、辛い経験です。しかし、それが犬の幸せのためであることを理解し、心の準備をしておくことが大切です。
アドバイス:別れが辛いと感じるのは、あなたが犬を心から愛している証拠です。多くのフォスター経験者が「フォスター・フェイル (Foster Fail)」(預かり犬を正式に自分の家族として迎えること)を経験するのも、その愛情の深さゆえです。別れが辛い場合は、保護団体や他のフォスター経験者と気持ちを共有することで心の支えを得られます。

犬一人ひとりに合わせたケアを心がける
保護犬は、それぞれ異なる背景や性格を持っています。人間不信の犬、健康問題を抱える犬、怖がりな犬、元気いっぱいでしつけが必要な犬など、さまざまなケースがあります。フォスターとして、犬の個性やニーズに合わせたケアを提供することが求められます。
アドバイス:初めは犬の様子をじっくり観察し、信頼関係を築くことから始めましょう。急にしつけを始めたり、過剰に構ったりすると、犬にストレスを与えてしまうこともあります。保護団体や獣医師と相談しながら、犬に最適なケアプランを立てることが重要です。
自分のライフスタイルとのバランスを考える
フォスターはボランティアですが、犬の世話には時間とエネルギーが必要です。仕事や家族の状況、住環境などを考慮し、無理なくフォスターができるかを事前に確認しましょう。特に、以下のような点に注意が必要です:
- 住環境:アパートや賃貸住宅の場合、ペット可の物件であるか確認が必要です。
- 時間:散歩や食事、ケアに十分な時間を割けるか。
- 家族:同居する家族や他のペットがフォスター犬を受け入れることができるか。
アドバイス:初めてフォスターをする場合は、比較的ケアが簡単な犬(例えば、成犬や健康な犬)から始めることをおすすめします。保護団体に相談すれば、あなたのライフスタイルに合った犬をマッチングしてもらえます。
3. フォスターを始める前に準備しておくべきこと
実際にフォスターを始める前に、以下の準備を整えておくとスムーズです。
必要な物資を揃える
保護団体がフードやリード、クレートなどを提供する場合もありますが、以下のような基本的な物資を準備しておくと安心です:

- ドッグフード(団体指定のもの、その必要のない場合もあります)
- 水・フードボウル
- リードと首輪、ハーネス
- クレートやベッド、毛布、タオル
- おもちゃ(ストレス解消用)
- トイレシート(必要な場合)
- ドッグサークル(ドッグペン)
アドバイス:保護犬は環境の変化に敏感な場合が多いので、できるだけ静かで安心できるスペースを用意してあげましょう。
家を「犬仕様」に整える
保護犬が安全に過ごせるよう、家の中を点検しておきましょう。例えば:
- 危険なもの(コード、毒性のある植物、小さな物など)を片付ける。
- 犬が逃げ出さないよう、玄関や庭の安全対策を徹底する。
- 他のペットや子どもがいる場合、初めの数日は別々に過ごせるようスペースを分ける。
アドバイス:犬が来た初日は、新しい環境に慣れるための時間をたっぷり取ってあげてください。焦らず、犬のペースに合わせてあげましょう。最初は家の中を全て案内してあげることはせず、行動を制限することで犬に安心感を与えてあげることができます。そのためにもドッグサークルなどを用意しておくと便利です。保護犬の「3-3-3ルール」の記事も参考にして下さい。
保護団体とのコミュニケーションを大切にする
フォスター期間中は、保護団体との密な連絡が欠かせません。犬の健康状態や行動の変化、里親候補との面会スケジュールなど、さまざまな情報を共有する必要があります。
アドバイス:何か困ったことがあれば、遠慮せず団体に相談しましょう。多くの団体では、経験豊富なスタッフや獣医師がサポートしてくれます。
4. フォスターの喜びと挑戦
保護犬のフォスターには、喜びと挑戦の両方があります。以下に、実際のフォスター経験者の声をまとめました。

フォスターの喜び
- 犬の変化を見られる:人間不信だった犬が心を開いてくれる瞬間や、健康を取り戻す姿を見るのは、何ものにも代えがたい喜びです。
- 新しい家族との出会い:里親が決まり、犬が幸せな新生活を始めるのを見届けられるのは、フォスター冥利に尽きます。
- 社会貢献:あなたのフォスターが、保護団体の活動を支え、多くの犬を救う一助になります。
- 1匹を救う以上の貢献:あなたがフォスターとして預かるのは1匹の犬かもしれませんが、その行動はさらに多くの命を救うことにつながります。あなたが空けたスペースによって、新たに助けを必要とする犬が保護されるのです。
フォスターの挑戦
- 別れの辛さ:愛情を注いだ犬との別れは、想像以上に辛いものです。
- 行動問題への対処:吠え癖やトイレの失敗、攻撃性など、しつけやケアに時間がかかる場合もあります。
- 健康管理:高齢犬や病気の犬を預かる場合、医療的なケアが必要になることもあります。(医療費は愛護団体が出してくれますが、治療は愛護団体の許可のもと行われます)
アドバイス:挑戦的な面もありますが、保護団体や他のフォスター経験者とつながることで、乗り越えられることがたくさんあります。一人で抱え込まず、サポートを求めることを忘れないでください。
5. フォスターを始めるための第一歩
ここまで読んで、「フォスターをやってみたい!」と思ったら、以下のステップで進めてみましょう:

- リサーチ:あなたの地域の保護団体やシェルターを調べ、フォスター募集の情報を集める。
- 問い合わせ:団体に連絡し、フォスターの条件やプロセスを確認する。
- 面接・トレーニング:多くの団体では、フォスターを始める前に面接やトレーニングがあります。積極的に参加しましょう。
- マッチング:あなたのライフスタイルや経験に合った犬をマッチングしてもらいます。
- フォスター開始:準備が整ったら、いよいよフォスター生活のスタートです!
アドバイス:最初は不安もあるかもしれませんが、一歩踏み出すことで、犬たちに大きな変化をもたらすことができます。あなたの優しさと行動が、保護犬の未来を明るく照らすのです。
6. 最後に:あなたの一歩が犬の人生を変える
保護犬のフォスターは、犬たちに新しい人生を与える素晴らしいボランティア活動です。辛い別れや挑戦もありますが、その分、得られる喜びや達成感も大きいものです。もし迷っているなら、まずは保護団体に話を聞いてみることから始めてみてください。あなたのライフスタイルや状況に合った形で、フォスターを始められるはずです。
そして、フォスターを始めるあなたを心から応援しています。あなたの一歩が、1匹の犬の人生を、そしてその新しい家族の人生を、大きく変えることになるでしょう!