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愛犬がもっと長生きする?アメリカの先駆的な統合獣医師の自然派ケアに学ぶ

2匹の犬

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「ペットは家族」と心から思う皆さんへ。毎日そばにいてくれる彼らが、もっと健康で、長く幸せに暮らせたら…そう願うのは私たちみんなの気持ちですよね。今回は、アメリカの統合獣医師、カレン・ベッカー先生の知恵をお借りして、ペットの健康を自然に支える方法を探ります。食事、ワクチン、フィラリア予防——愛する動物たちとの未来を輝かせるヒントがここにあります──よかったら一緒に学びませんか?〜Big Tree for Animals

「動物の統合医療」って聞いたことありますか? 簡単に言うと、従来の獣医学(薬や手術)と代替療法(鍼灸、ハーブ、ホメオパシー、栄養学)を組み合わせ、ペットの心身全体を癒すアプローチです。特に栄養学では、犬や猫に合った新鮮な食事(例えば生食や低炭水化物食)を取り入れ、加工食品を減らして自然治癒力を高めます。病気だけでなく、生活の質や予防にも目を向けるのが特徴で、ペットを「個」として尊重するケアのことを言います。

米国の統合医療獣医師カレン・ベッカー先生は、SNS、動画、著書を通じて、ペットの健康に関する貴重な情報を数多く発信しています。今回の記事では、ベッカー先生がポッドキャスト「Culture Apothecary(カルチャー・アポセカリー)」に出演し、ペットの食事、ワクチン、フィラリア予防などについて語った内容をご紹介します。さらに、彼女の著書『The Forever Dog』(日本語Kindle版単行本版)や『The Forever Dog Life』(日本語未出版)の知見も織り交ぜたこのインタビューは、ペットとの暮らしを見直す良いきっかけになるでしょう。大切な家族がより幸せに、長く生きられるヒントを一緒に探してみませんか?

ペットの食事を見直す

ドクター・ベッカーがまず事実として挙げたのは、アメリカの市販ペットフードの衝撃的な現実です。

アメリカで使われる99%ドライフードや缶詰用の原材料は、USDA(米国農務省)の検査で「人間用として不合格」とされたものなのです。〜カレン・ベッカー獣医師

例えば、マイコトキシン(mycotoxin:カビ(真菌)が生成する有毒な化学物質の総称)に汚染された穀物や、屠殺場で廃棄される肉の副産物、傷んだ野菜などが含まれていることが多いのだとか。これらは人間が食べないものを「ペット用飼料」としてリサイクルしているのです。

そこでベッカー先生が推奨するのが、ローフード(生食)。犬や猫は本来、肉を中心とした食性を進化させてきたため、生の肉や骨、少量の野菜が「生物学的に適切」だと説明します。ポルトガルで31歳まで生きた犬ボビーは、生涯一度もドライフードを食べず、家族が育てた有機野菜や新鮮な肉だけで育ちました。ベッカー先生は「新鮮な食材がペットの体に活力を与え、炎症を抑えるDHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸も補給できる」と強調。実際に、生食に変えた飼い主からは「毛並みが良くなった」「元気が出た」といった声が届くそうです。食事に関しては、衛生管理や栄養バランスも重要なので、信頼できるレシピや栄養学をしっかりと勉強した獣医師の指導を参考に始めるのが賢明です。

ベッカー先生は、ローフード(生食)を推奨していますが、「ローフード以外は絶対にダメ」と断言しているわけではありません。彼女のインタビューや著作を確認すると、ペットの健康にとって「生物学的に適切な食事」が重要だと強調し、その最良の形としてローフードを挙げています。しかし、彼女は現実的な選択肢も考慮しており、例えば忙しい時には信頼できる会社が作った市販のローフードや、生の食材の栄養価や風味をできるだけ保ちつつ、安全に食べられるようにするために低温や短時間で調理された「ジェントリー・クックド・フード (Gently Coocked Food)」、また生肉のフリーズドライフードを購入することや、新鮮な食材を使った手作り食(加熱しても可)を認めています。

先生はインタビューで「私は自分で愛犬の食事を作るのが好きだし楽しいけれど、仕事で忙しい時は高品質な市販のローフードに頼る」と語り、柔軟性を持たせています。また、加工されたドライフードについては、品質の低さや過剰な炭水化物含有を批判しますが、近年は「ヒューマングレード(原材料や製造過程が人間の食品と同じ基準で作られている)」の新鮮な食材を使ったフードも市場に出てきていると認めています。彼女のポイントは、栄養バランスが取れていれば、生か加熱かを問わず「新鮮で加工されていない食材(ホールフード)を使った食事」がペットにとって理想的だということです。普通に考えても、当たり前の話ですよね。

ベッカー先生はローフードを最優先に推奨しますが、それ以外を完全に否定する立場ではなく、ペットの健康を第一に考えた現実的なアプローチを提案していると言えます。


ワクチン:本当に必要なタイミングとは?

獣医さん

ワクチンについても、ベッカー先生はその「過剰接種」に警鐘を鳴らしています。獣医学におけるワクチンの副作用を引き起こす重大な可能性を引き起こす問題として以下の2つを挙げています。

  • 一律の投与量の問題
    現在のアメリカでは、体重1.2キロの超小型犬から約100キロのチベタン・マスティフまで、同じ量のワクチンが投与されています。これは驚くべき事実です(!?)。
  • 生涯にわたる繰り返し接種
    アメリカでは現在、狂犬病ワクチンやジステンパー(DA2PP/DHPP)のワクチンを、一般的には1〜3年ごとに接種し続けることが推奨されています。

先生によると、パルボやジステンパーなどの変形生ワクチンは、一度適切な時期に接種すれば生涯免疫が得られることが科学的に証明されているそう。例えば、彼女の17歳の愛犬「ホーマー」は、血液検査(抗体価検査)の結果、十分な免疫があると分かっており、それ以上の接種は不要でした。

「毎年ワクチンを打つのは、保護を増すどころか副反応のリスクを高めるだけ」と彼女は指摘。代わりに、抗体価検査を活用してペットの免疫状態を確認し、必要な場合だけ接種するべきだと提案しています。ペット一人ひとりの生活環境や体調に合わせたケアこそが、ホリスティックな視点だと言えるでしょう。私たちも、愛犬・猫のために、本当に必要なものを見極めたいですよね。


ノミダニ・フィラリア予防:自然派の選択肢

蚊(フィラリア)やノミ・ダニ予防については、「一律の投薬はナンセンス」とドクター・ベッカーは語ります。たとえば、アリゾナのような乾燥地に住む室内犬と、フロリダの屋外で暮らす犬では、蚊やダニへの暴露リスクが全く異なるはず。彼女は「自分のペットの生活環境を評価して、リスクに応じた対策を」とアドバイス。例えば、ベッカー先生の犬はアリゾナ州でハイキングしてもダニに遭遇することはほぼなく、毎月の予防薬は不要だと判断しています。

自然派の選択肢としては、手作りのノミ・ダニスプレーや、年に数回の血液検査で感染を早期発見する方法を提案。フィラリアのリスクが高い地域では「適切なプロトコル(予防策)」を使う価値があるけれど、化学薬品に頼りすぎないバランスが大事だと強調します。愛犬の生活スタイルをよく観察して、無駄な負担をかけない選択をしたいですね。ちなみに我が家ではノミダニやフィラリア予防の薬は使わず、私が安全だと確認した蚊やノミダニのナチュラルスプレーや、DYIで作ったスプレーを使用し、年に1〜2回血液検査にてノミダニやフィラリア関係の病気の有無を確認する方法をとっています。また、ノミやダニがいる場所に行く時は、リントローラーノミ取りブラシ、マダニ鳥器具などを用意して、散歩後、家に帰る前に体中をリントローラーやブラシなどを使いノミやダニのチェックをして予防しています。


ホリスティックケアが教えてくれること

ベッカー先生の話で一貫しているのは、「ペットを個として尊重し、自然に生きられる環境を整える」という哲学です。彼女が取材した長寿犬たちに共通するのは、新鮮な食事、低ストレスな生活、そして自由に動ける環境。例えば、ボビーは農園でのびのび歩き回り、家族と一緒に穏やかな毎日を過ごしていました。こうした生活が、遺伝を超えて健康寿命を伸ばす鍵だと彼女は確信しています。

「ペットの体が何を求めているかに耳を傾けて」と彼女が言うように、食事や運動、ストレス管理を通じて、彼らの本来の力を引き出すのがホリスティックケア。私にとって動物たちは、無条件の愛やシンプルに生きる喜びを教えてくれる存在です。そんな彼らに、少しでも自然に近い暮らしを贈ることで、私たち自身も癒され、心の平和を感じられるのではないでしょうか。


大きな木の下で、ペットと一緒に

当サイト、Big Tree for Animalsが目指す「大きな木の下で人と動物が集い、優しさを分かち合う」場所は、ベッカー先生の視点とも響き合います。ペットの健康を通じて、私たちも自分を愛し、他者を尊重する心を育てられるはず。彼女の言葉を借りれば、「知識を得て後悔を減らすこと」が、ペットとの幸せな時間を長くする第一歩です。

皆さんは、ペットの健康や幸せのためにどんな工夫をしていますか? 私も頭と心をオープンに、これからもいろんな事を学びながら生きていけたらと思います。一緒に学びながら、動物たちと穏やかな未来を描いていきましょう🌲。

ベッカー先生の動画はこちら!

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