劣悪な環境から救出されたマルチーズ犬『レジー』
アリゾナ動物愛護協会(AHS)は、2024年12月に6歳のマルチーズ犬「レジー」を保護しました。レジーは全身がひどく毛玉で覆われており、AHSのグルーマーであるアミティ・デイビスさんは「レジーの被毛は非常に硬く、厚みがあり、グルーミングはこれまで経験した中でも最も大変なものでした」と語っています。特に首の周りの毛玉は非常に硬く厚く、取り除く作業には時間と労力がかかったそうです。ハサミが曲がるほど固く絡み合った毛玉を除去するには、複数のスタッフによる作業が必要で、約2時間半を要しました。安全のため、毛玉の除去作業は麻酔を使用して行われました。(▼以下の動画でその様子が見れます)
取り除かれた毛玉の重さはなんと0.45kgにも及びました。長期間放置された毛玉は皮膚を引っ張り、痛みやストレスを犬に与える原因となります。しかし、アミティさんによると、幸運なことにレジーの皮膚の状態は大きな損傷を受けていなかったとのことです。それでも、こんな過酷な状況に置かれながらも、レジーは終始フレンドリーで、人懐っこい性格を見せてくれました。毛玉が取り除かれ、体が楽になって本当によかったですね、レジー!
保護後のレジー
その後、レジーは去勢手術と軽い傷の治療を受け、明るく自信に満ちた姿へと変貌を遂げました。そしてついに、彼は新しい家族に迎え入れられ、幸せな生活を送っています。
アメリカの動物福祉の現状
今回のケースは、アリゾナ州マリコパ郡における動物福祉の現状を浮き彫りにしました。AHSは前年、22,000匹以上のペットにケアを提供し、約100,000件の市民からの通報に対応しました。アリゾナの冬は温暖ですが、夏は非常に暑く、放浪する動物たちにとって大きな危険が伴います。レジーが夏の到来前に保護されたことは幸運でした。
さらに、アリゾナ・ヒューメイン・ソサエティでは現在、23kg以上の犬の譲渡費を無料にするキャンペーンを実施しています。このキャンペーンは、コロナ禍以降の犬の飼育放棄や譲渡の減少によって引き起こされている動物たちの厳しい状況を反映しています。(アメリカの動物保護施設の現状、課題、そしてコロナ禍後の影響についての記事もどうぞ!)コロナ禍でステイホームとなり、犬を譲渡する家庭が増えましたが、動物愛護団体が予想した通り、ステイホームの時期が終わると譲渡した犬をシェルターに返す人たちが多く現れました。その結果、現在アメリカのシェルターでは譲渡されにくい大型犬で溢れています。これは非常に悲しい現実です。このような状況を避けるためにも、犬を飼う際には最後まで責任を持ち、家族の一員として迎え入れて欲しいですね。
レジーのビフォー・アフター
レジーのビフォーアフターの写真は以下のリンクからご覧いただけますので、ぜひチェックしてみてください!
- Severely Matted 6-Year-Old Maltese Finds Forever Home After Getting a Drastic Makeover: See the Before and After Photos
- アリゾナ・ヒューメイン・ソサエティのFBページ