ヒューメイン・ソサエティ・シリコンバレー(HSSV)

ヒューメイン・ソサエティ・シリコンバレー(以下HSSV)は1929年よりシリコンバレーエリアの動物愛護団体として活動してきました。残念な事に当団体の志に反して、譲渡に出すよりも薬による安楽死をする数の方が多かったという10年前に、当時の代表が「これではいけない。」という事で「新しいHSSVを作る」という事をゴールに立ち上がり、10年後の2009年4月、サンタクララにあった古いシェルターからミルピタス市に土地を移し、約20億円をかけて新しいHSSVの建物をオープンしました。ちなみに、HSSVは世界でも有名なヒューメイン・ソサエティ・インターナショナルやアメリカ合衆国ヒューメイン・ソサエティと提携している団体ではなく、あくまでプライベートな非営利団体です。

業界初の「アニマル・コミュニティー・センター」

HSSV正面玄関

従来の「シェルター」という施設ではなく、「アニマル・コミュニティー・センター」と呼ばれるこの建物は、動物愛護の業界で初めての完全エコ建築(Gold LEED 認定)でもあり、風水を取り入れた優しいデザインになっています。ストレスや不安を感じている犬達がけたたましく吠え続けるような事はなく、どの犬もとても静かにそれぞれのお部屋にいました。動物はケージや檻の中ではなく、それぞれに「部屋」が与えられ、動物達の部屋には常にクラッシックの音楽が優しく流れており、心地よいベットや椅子などがおかれており、とても清潔な状況です。

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もちろん動物達の譲渡もメインに行っていますが(一ヶ月の譲渡数は約250〜350匹以上で現在上昇中)その他にも、同じ建物の中にある動物病院での低賃金の避妊/去勢、マイクロチップ、ワクチン接種や、ドッグトレーニング、ペットグルーミング、ペットショップ、カフェ、しっかりとスクリーニングされたメンバー限定プライベートなドッグパークなどもあります。動物を譲渡しにくるだけではなく、自分の犬と一緒に遊びにこれるような場所であり、ペットの飼い主や子供達への教育のために、クラスを開催したりしています。

風水されてある建物はとても落ち着いています。

この団体の主な資源は私たちからの寄付や、イベントなどからの資金等。このように大きな団体でも、私たち市民のサポートは常に必要なのですね。

HSSVは完全なノーキルシェルター(殺処分をしない)ではありませんが、殺処分率(薬による苦しみのない安楽死)は非常に低く、一度引き取った動物達は何か大きな事件や苦痛を伴う怪我や病気でもない限り、新しい飼い主さんが見つかるまでこの団体でお世話をするという事です。この団体に入ってくる動物達は大きく分けて3種類:

  • さまざまな理由から飼えなくなった動物を飼い主さんが引き渡しに来る。
  • 提携している自治体の保健所から安楽死処分のリストに載っている犬を引き出して来る(この犬達は確かに問題のある動物達もいますが、その多くは単に、保健所でのスペースがなくなった為に安楽死処分のリストに載ってします子達も多くいます。)
  • 他のシェルターや動物愛護団体の安楽死処分リストに載っている子達を引き出して来る(理由は上と同じです)。

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これらの動物はHSSVで、獣医の身体検査を受け、伝染する病気のチェック、必要なワクチンの接種、気性やトレーニング状態のチェック等を受けます。その後、ここにある各「部屋」で新しい飼い主さんとの出会いを待つ事になります。

野良犬だった場合や、前の飼い主さんから何のトレーニングも受けていなかった事が原因で、シェルターの中にいる事がその動物にとって良くないと判断された場合は、この団体が持っているフォスター・ネットワーク(一時預かりのボランティア)さんの家に入り、一般家庭で新しい環境や人間に慣れてもらい、同時にトレーニングを受けたりしながら過ごします。

風水が効いているのか(?)中は本当に落ち着いた平穏な雰囲気が感じられる素敵な場所でした。今度こちらでもボランティアをする予定ですので、その事についてもまたレポートしたいと思います。

HSSVで撮った写真

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