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【米国/東海岸発】ドギープロジェクト、オーナー寺口麻穂さん インタビュー

【米国/東海岸発】ドギープロジェクト、オーナー寺口麻穂さん インタビュー

米国東海岸にあるニュージャージー州にて「犬と人間の健全な関係作りを通して、一人一人のこころに幸せを運び、地球に平和をもたらすことが出来たら…。」という願いから、ドギープロジェクトを立ち上げ、オーナーとして活躍、それと同時に、シェルターにてボランティアとして、トレーニングやアダプションのカウンセリング等を行うなど、長年犬と共に歩んでこられた麻穂(まほ)さん。アメリカで発行されている日本人向けの情報誌、U.S. FrontLineにて「ドギーパラダイス!」という連載コラムも執筆されています。また、このドギーパラダイスのフェースブックページもありますので、ぜひ「いいね!」リンクをクリックして情報をゲットして下さいね!

──麻穂さん、今回はBig Tree for Animalsのインタビューにお答え頂きありがとうございました。

こちらこそ、こんな貴重な機会をいただけたこと、とっても嬉しく思っています。

──麻穂さんはニュージャージー州のシェルターでボランティアとして働いてらっしゃるそうですが、そこではどのような事を担当してらっしゃいますか?

アダプトした犬との出会いで人生が変わった!この出会いを運んでくれてありがとう!というお話を聞かせてもらったとき、本当にボランティアしていてよかった、もっともっと頑張ろう!と思えます。

職員ではないので非公式ですが、長年ボランティアをしているので、今では犬舎の責任者とトレーナーのアシスタントとして様々な業務に携っています。毎週月曜日にグループ・トレーニングのクラスがあって、トレーナーと一緒に教えています。以前は一般の方へのクラスでしたが、今はボランティアのみが対象です。クラス以外では、時間の許す限り、問題行動を抱える「ボーダーライン犬」のリハビリとトレーニングに携っています。その他として、今一番力を入れているのが、アダプション・カウンセリングです。これはいわゆるマッチメーキングですね。犬と新しい飼い主のマッチングって思ったよりうんと難しいんです。というのも、犬は犬種と個々のパーソナリティーで飼い主に要求されるものがかなり違ってきます。それと人間の犬への理解がまだまだ浅いので。マッチした犬と飼い主を上手くめぐり合わせるお手伝い。色々難しいんですけど、ここが犬のレスキューでとても大事なところだと信じていますので一生懸命やってます。

──シェルターでのボランティアを経験して、沢山の犬達との素晴らしい出会いもあったと思いますが、個人的に得られた事というのは何でしたか?

自信ですね。本当にたくさんの犬たちと出会い、接する事で、自分の中にあった可能性をぐーんと引き出してもらい、自信をたくさん与えてもらいました。そこから、自分が出来ること、すべき事を学びました。

──ボランティアをして一番思い出に残っている嬉しかったエピソードを教えて下さい。

たくさんあって、「これ!」というのを選ぶのが難しいのですが、わたし自身の時もそうだったのですが、アダプトした犬との出会いで人生が変わった!この出会いを運んでくれてありがとう!というお話を聞かせてもらったとき、本当にボランティアしていてよかった、もっともっと頑張ろう!と思えます。

──これから日本でも、私もボランティアしようかなーと思っているけれど、少し不安に感じる方に対してのアドバイスはありますか?

ボランティアは、こちらが「無償で助けてあげてる」という観念でなく、自分の勉強・機会の場という風に理解出来たら長続きするし、どんどんポジティブな結果をもたらすと思います。それと、とっても大事なことですが、アニマル・レスキュー関係のボランティアだと、ついつい感情的にのめりこんでしまう場合が多いので、いつもこころのバランスを上手く取れてるようにしておいてほしいです。そのためには、ボランティアの場と、他の生活の場の切り替えをすぱっと出来るようにすること。一旦のめり込んでしまうと、自分の心身も、周りの人間も動物にも影響が出るので、バランスを上手くとって、そうすれば楽しく長く続けられると思います。

──まほさんの愛犬、ジュリエット(ピットブル・テリア、推定13歳♀)との出会いのきっかけはなんでしたか?

東海岸に引越して来た年に大きな手術をしたんですね。で、その後、「やりたいことで出来ることはどんどんやろう!」と思ったんです。アメリカで犬と暮すことがずっと夢だったけれどなかなか決断できずにいたんですが、それがきっかけで「犬を飼うぞ!」となりました。誕生日だったので、友達が「ペットショップで買ってプレゼントする~」とか言ってましたが、「絶対だめ!シェルターからアダプトしたい!」と思い、近くのシェルターのボランティアの方に相談したところ、その時一番困っていたジュリエットが廻ってきました。ははは。でも、ある意味「この人なら大丈夫」って見込んでもらえたんだろうなっていい風に取ってます。

──最初にピットブルのジュリエットと暮らし始めた時に、周りの人から「気をつけなさいよ。」「護衛の為に飼っているの?」と聞かれたそうですね。そして、そのうち腹をくくり、「もしこの子が急に凶暴になって、寝ている間に襲われて殺されたら、それも運命。やれるものならやってみろ。」と彼女の事を怖がらなくなり、反対に彼女の事を守ってやるのが私の使命だ。と思われたそうですね。自分の愛犬から、「私は私の飼い主に守られているから、安心だ。」と思ってもらえるには、どうしたらいいんでしょうか?

Juliet Pit Bull

まほさんの愛犬、ジュリエットちゃん(推定13歳)

まず人間が、「犬は絶対的縦社会に住んでいる。」「必ずしっかりしたグループリーダーが必要。」「飼い主にその素質がないと見込んだら犬が、代わりにリーダーになってパックを守ろうと頑張る。」「でも、それはこの世界ではさせてはいけないこと。必ず飼い主がリーダーになること。」という犬の法則を頭に入れておくことですね。そして飼い主が「全てをわたしに任せなさい!」というリーダー的威厳を見せて、リーダーの任務・責任を常にきちんと果たすこと。それは何も意地悪だとか厳しいとかじゃないんですよ。犬はそういう存在を必要としているのです。そしてリーダーに全てを任せられることで自分はリラックスでき心身共健康維持がしやすい状態でいれるわけです。

わたしはジュリエットの過去に対して一度も「あ~なんて可哀相で哀れな思いをしてきたんだ…」と嘆くような態度をとったことがなかったんです。アダプトした直後は周りが哀れんだり、大変がったりそんな感じだったのに。きっとわたしは最初はもう無我夢中でそんな感情に浸ってる暇がなかったと思うんですね。で、それがすごく功を奏したと思います。とにかくこれからは二人で「運命共同体」で頑張って楽しい毎日にしていかないと!と必死でしたから。犬種のことなんかも含めて、飼う前に想像していた生活より百倍でしたから。そうしてわたしが無我夢中で、とにかく責任ある飼い主になる!と頑張っている間にジュリエットとの関係作りが出来てきたのだと思います。

──ピットブル・テリアはアメリカでは非常に誤解されている犬種だと思います。麻穂さんが知っている本当のピットブルの姿とはどんなものでしょう?

すごく一緒に暮らしやすい犬だと思います。というのもこれと言って犬種特有の持病をもってるわけでもなく、またすごく手入れが簡単で、それから痛みに超強いのでアニマル・ホスピタルなんかに連れていっても注射平気~とかだし。何と言ってもわたしが一番大好きなところは、彼らのひょうきんさかもですね。もうほんと馬鹿みたいにひょうきんで犬の中では天下一品のコメディアンです。

後、喜びの出し惜しみをしないところ。身体全体で喜びを表現してくるので、そういう100%ぶつかってくるところ超いいですね。本当に人懐っこいですし。

──ピットブルが飼いたいなーという方へ、どのようなアドバイスがありますか?また、こういうライフスタイルの人にはピットブルは合わないという事はありますか?

ピットの飼い主になるには、よっぽど根性座ってないと難しいですよ。ははは。でも、本当。社会からの風当たりがきついので、それに立ち向って闘える強い気持ちがあった方がいいでしょうね。いまだにジュリエットと道を歩いていると避けて通られたり、「ピットブル?お~怖~」と言われたりすることがあります。やっぱり誰にでも自分の愛犬を好きでいてほしいけれど、ピットブルという犬種だけで、性格がどうであれ敬遠されてしまうことがあると思います。

Maho & Julietまた、もっと大きな問題でいえば、家の保険に加入できないとか、街によっては飼えないとか、アパートなどでも犬種で断られたりもあります。それにいまだに無くならない闘犬など、無責任な飼い主に飼われてるピットブルが問題を起し、テレビのニュースや新聞でやんやと取り上げられることが多いので、その度にピットブルの飼い主への風当たりはきつくなります。なのでそういうことを覚悟で飼わないと精神的に参ることも多いでしょう。

でも、その代わりピットブルを愛するもの同士の連帯感みたいなのはすごく強い気がします。わたしはこういう「問題犬種」の飼い主になれてよかったなと思ってます。機会あればジュリエットを使ってピットブルの悪評を覆せるように宣伝活動したり、話合いの場を作ったりします。ピットブルはきちんと必要な運動をさせられるなら、都会でもアパート暮らしでも大丈夫で、飼いやすい犬だと思いますが、誰にでもOKという犬種ではないと思います。力が強いですし、ものすごくインテンス(Intense: 何事にも真剣、情熱的)なので、心身とも強靭な飼い主向きでしょうね。でも、本当に人懐っこくって楽しいですよ。一度ピットブルを飼った人は本当にやみつきになってやめられないってみんないいますね。シェルターのボランティアの中でも本当に人気だし。

──私も最近サーチ&レスキューとしてトレーニングされたピットブル3匹がうろうろするクラスルームで、犬の応急処置&緊急事態に関するクラスを受けたんですが、その3匹のピットブルの何とも言えない天然のひょうきんさに、笑いが止まりませんでした。ピットブルから話しが変わりますが、麻穂さんの知っているシェルターに犬が連れてこられてから、アダプトされるまでの流れを教えて頂けますか?

野良犬として捕獲された犬はニュージャージー州の決まりで一週間そのまま保管します。マイクロ・チップや鑑札などから飼い主の情報が得られない場合は、ひたすら飼い主が迎えに来てくれることを期待するのみですね。もし一週間以内に誰も現れない場合は、シェルターの犬となります。

飼い主が捨てに来る犬は、書類手続きを済ませたらその場でシェルターの犬という扱いになります。大抵の場合、新しい環境に慣れさせるために2、3日様子を見て、落ち着いてきたら行動・性格テストをします。これでその犬が一般の家にもらわれた場合、大きな問題なく暮らしていけるかの判断をします。テストに合格すれば、いざ新しい家探し!となります。Petfinderというアダプション(里親募集)サイトに情報を載せ、シェルターに犬を見にきてくれる人たちとマッチメーキングをして、より最適な家族探しに努めます。早い犬なら2、3日で新しい家が見つかることもありますし、数ヶ月、また一年後に家が見つかった犬もいます。

──シェルター出身の犬は、問題のある犬だとか、しつけがなっていない等、何かとネガティブな印象をつけられている様な気がします。実際の所、シェルターにて何千匹もの犬達とふれあってこられたまほさんですが、本当はどうなんでしょうか?

問題犬多いですよ(苦笑)でも、それは犬のせいじゃないんですよね。人間のせいでの問題。例えば、病気ならもっと早くに飼い主が気がついて対処しておけばここまでいってなかったのに…というところまで来た犬が捨てられてきたり。問題行動の場合は99%人間のせいですね。飼い主が自分達のやるべきこと、日々の運動だとかしつけ訓練だとかを怠ったばかりに犬の問題行動がどんどんエスカレートし、手に負えなくなると捨てる…。人間のちょっとの努力で、というか飼い主の義務をきちんと行っているだけで、問題にもならなかったはず…という問題行動犬がたくさんやってきます。後は、簡単に考えて犬を飼い始めて、いざ生活するとその大変さに圧倒されて捨てに来るというパターン。でも、犬はいつからでも一から再スタートできるくらい順応性があるので、次の飼い主次第で見違える犬にトランスフォーメーションすることが大いに可能です。

──犬を飼いたい方の中には、どうしても純血種の犬にこだわる方もいらっしゃるかと思います。私としては、雑種犬も頭がよく、可愛くそちらの方もオプションに入れてほしいなーなんて思うんですが・・・その辺りどう思われますか?

健康面では、実際には雑種の方が断然強いと言われてますね。純血種の多くはその犬種独特の持病を抱えますからね。本当にその犬種をこよなく愛し、いい血だけを残していこうと頑張っているブリーダー以外は、商売目的で繁殖してるブリーダーが大多数なので、そうするとなんでもありで繁殖してしまいますから、良くないDNAが蔓延りまくってますよね。それに、商売目的のブリーダー(パピーミル)は生後すぐに親から放して売りますので、子犬の時に必要なものが得られない間に新しい飼い主の手に渡ってしまうので、その影響は一生残ります。

純血犬を飼う特典は、大体どんな性格で、どんな病気に気をつけないといけないとか、後、飼う際に要求されることなどが分かりやすいので、それはいいかもしれませんね。

失敗をしても、必ず修復できるのが犬との関係のいいところ。飼い主さえその気になって、きちんとした情報と教育を受ければ愛犬との関係なんていつでも180度変えられます。

──実は我が家で2匹目に迎え入れた子は、前の飼い主さんに、持病のドライアイをきちんと管理してもらえず、進行しすぎて右目をシェルターで摘出したという子でした。最初から恐がりなタイプだったのですが、ダメだと思いつつ、どこかでかわいそうに思い、ついつい、彼女の事をかばいすぎてしまったため、他の犬や足早にどかどかと近づいてくる人に吠えかかるようになりました。私の様な失敗をしてしまう方も他にもいるんではないでしょうか。これから犬を里親に迎えようと思っている方々に、私と同じ失敗をしない為にはどういった心構えでいればいいのか、教えて頂けますか?

失敗をしても、必ず修復できるのが犬との関係のいいところ。飼い主さえその気になって、きちんとした情報と教育を受ければ愛犬との関係なんていつでも180度変えられます。犬は自分の鏡みたいなものなので、愛犬が問題行動を起して居る時は、自分の中、愛犬との関係の中に問題があり調和が取れていないので、そこを見直す必要があると思います。最初からきちんとした関係作りが出来ればそれにこしたことはないですが、Never Too Late(手遅れという事は絶対にない)なのが犬との関係のいいところなので、今日からでも修復可能です!飼い主の理解と頑張り次第です!

──アメリカのシェルターではほぼ間違いなく避妊/去勢を行いますよね。しかし、未だにアメリカでも、日本でも「自然の流れに反する」、「可哀想」、「睾丸をとってしまうと男でなくなるので、可哀想。」、「愛する子の子供が見たい。」、「一度子供を産ませてから避妊する。」などという理由で避妊/去勢を行わない飼い主さんもいらっしゃるかと思います。まほさんは、避妊/去勢は大切な事だという考えを持っていると理解しているのですが、その理由を説明して頂けますか?

自然の流れに反するっていう意見は大間違い。犬を人間のペットにした時点ですでに自然の流れに反したのですから。この世の中でペットとして飼われている犬全部に出産の機会を与えていたら、今より数万倍の犬が殺処分という道を辿るという悲劇に至るのではないでしょうか。メス犬は一年に二度妊娠できます。それを毎回妊娠させていたら、数頭のパピーたちが毎年毎年どんどん生まれてきたらどうなるでしょうか。それにオス犬は年に2回そんな発情してるメス犬の匂いを嗅いで、もしメイト(交尾)出来なければフラストレーションが溜まりまくって問題行動を起します。去勢していればそんな風にはならないのに、男じゃなくなる…なんて擬人化してしまい、毎年毎年、年に2度も愛犬のオス犬にメイト(交尾)の機会を与えず苦しい思いをさせている飼い主の方が残酷だと思います。

わたしは手術にも立ち会ったことがありますし、シェルターでは毎週実施されてますし、この技術の進歩した現代社会で去勢・避妊の手術は簡単・安心。その手術で家が見つからないから…と殺処分されてしまう犬たちの数を減らせることが出来、また愛犬の生殖器官の病気予防も出来るのだったら去勢・避妊することが責任ある飼い主の行動だと思います。

ご心配なく。去勢・避妊をする飼い主が増えることで、雑種も純血種も絶対この世から撲滅することなんてありませんから!

──麻穂さんにとって、犬のトレーニングとはどういう事でしょうか?

アメリカの大手のペットショップは随分前から犬・猫を売るのをやめましたよね。その代わりに、ほとんどのお店が地元のレスキュー団体に場所を提供して、アダプション(譲度会)の場に使ってもらって、足を運んでくれたお客様にはフードや備品を買ってもらって商売につなげていますよね。

一言、飼い主トレーニングですね(笑)犬は飼い主、ハンドラー次第で全く違います。飼い主・ハンドラーがどれだけ犬というものを理解し、犬と上手くコミュニケーションが取れるか、それが犬のトレーニングの基本の基本になると思います。飼い主が、愛犬をこの社会でマナーを持ってみんなと問題なく暮らしていけるようすること、それがペット犬のトレーニングと思っています。

──日本では未だにたくさんのペットショップで生体販売をされていますよね。生体販売なしで、ペットショップがお店を継続してゆく為の工夫ですとか、アイデアなど、アメリカのペットショップを例に挙げて教えて頂けますか?

アメリカの大手のペットショップ、Petco*1Petsmart*1は随分前から犬・猫を売るのをやめましたよね。その代わりに、ほとんどのお店が地元のレスキュー団体に場所を提供して、アダプション(譲度会)の場に使ってもらって、足を運んでくれたお客様にはフードや備品を買ってもらって商売につなげていますよね。レスキューに協力的というのはお店の好評判につながりますし、Puppy Mill(パピーミル)撲滅に大いに役立ってると思うし。動物たちも、ペットショップという厳しい環境の中で過ごす必要がないし。犬を手に入れるのはシェルターなどからアダプションするか、本当にきちんとしたブリーダーから買い取るか、後は知り合いから譲り受ける、選択がそれだけになるとPuppy Millで大量生産されてくる子犬を撲滅できると思うのですが…。ペットショップでは手軽に犬を買えるのは確かです。でも、手軽が本当に正しいことなのか????結局は消費者の意識・理解ですね。

──麻穂さんのホームページ、ドギープロジェクトに「犬をもっと理解することが出来たら、人は再び自然と近づくことが出来ます。自然ともっと近づけると、平和の価値を再認識することが出来ます。人が平和を取り戻せたら、心に幸せを運んで来ることが出来るのです。」という素敵な言葉がありました。これについて、もう少し説明して下さいますか?

ドギープロジェクトを作ったそもそものきっかけというのが、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件の惨事を目の当たりに経験したことだったんですね。あの当時、人間といういきものに対してつくづく悲しくなってしまい、でも同時に人の力、素晴らしさをも痛感し、「今まで漠然と頭にあったアイデアを具体化したい!」と始めたのが「ドギープロジェクト」なんです。人間は往々にして「地球は自分達のもの。自分達がコントロールする」と振舞っている場面が多く、その結果、悲しく淋しい人間が目立つように思うのです。その疑問を追及するべく、人間がこころに幸せをもたらせる為には、地球に平和をもたらせるためには、わたし達は何をすべきかを考えたい、シェアしたいと思いました。でも、わたし一人のキャパシティーは限られているので、一番自分が力を発揮できる分野で「答え探し」のための活動をしようと思い、犬と人間の関係を追及しながら、ひとりひとりのこころに幸せをもたらすこと、世界の平和への答え探しをしています。

犬と生活すると小さな幸せにすごく敏感になり、シンプルで小さな幸せでこころが本当に暖かくハッピーになれると思うんです。誰もがそういう幸せの発見や経験が出来るようになればこの世はもう少し美しくなるのではと思っているんですよ。自然の驚異に忠実な動物と生活すると、こんな現代社会に住んでいるわたしたちでも少しは自然と近づいていられると思います。

この世界にいると人間の非情さがほとほと嫌になり、人間嫌い!動物とだけ一緒にいれればいい!と思ってしまう気持ち良くわかります。でも、動物愛護の活動をどんどん成功させていく一番の鍵は「人間との上手なコミュニケーション」なので、人間と上手く付き合えなければ駄目だと思います。

ジュリエットと暮らすようになって、散歩中に様々な自然の変化とか一杯発見できて、もし犬が居なかったらこんなこと絶対見落としてただろうな~とかね。それに散歩だけでなく日常の生活でシンプルにより自然に忠実に生きてることを教えてくれますよね。人間はそういうところから生きる原点を学べるのではないかと。生きる原点が学べたら少しは不必要で醜い争いが減っていくのではないかと信じたいんですよね。

──麻穂さんが思い描く、理想の日本の動物愛護の世界、または人間と動物の関係はどういったものですか?

動物愛護に従事している人たちは往々にして人間嫌いになってしまうところがあると思います。そしてその気持ちも良くわかります。この世界にいると人間の非情さがほとほと嫌になり、人間嫌い!動物とだけ一緒にいれればいい!と思ってしまう気持ち良くわかります。でも、動物愛護の活動をどんどん成功させていく一番の鍵は「人間との上手なコミュニケーション」なので、人間と上手く付き合えなければ駄目だと思います。この世界にで活躍し、動物のためになりたいという人は人間に対してとても影響力のあるコミュニケーターにならないと駄目だと思います。人間と動物がお互いの存在を尊重し合い上手く共存できたらいいですよね。

──本当にそうですね。私もまほさんに比べると年数はとても短いですが、ボランティアをさせてもらったり、ツイター上に流れる一部の活動家さんの言動を読んでいると、そのあたりのバランスが崩れている人を見かけますし、私自身も「人間より動物と一緒にいる方がよっぽどいいやー」って思ってしまう時もあります。それだけに、彼らの言っている事や、人間嫌いになってしまった理由も理解できるんですが、もう少し他の人達の心を動かすような言動をする事を心がけて欲しいな、と思います。私達ひとりひとりの行動が、世間一般への動物愛護に対するイメージへの影響し、それが動物達の安否に直接影響するという事を認識し、それぞれがよい意味での広告塔になっていくといいですね。今日はお時間を頂き、ありがとうございました。これからも、ジュリエットちゃんと共に頑張って下さいね。応援しています!

寺口麻穂さんと愛犬のジュリエットちゃん寺口麻穂
ドギープロジェクト、オーナー、米国ニュージャージー州のシェルターボランティア、アダプション・カウンセラー
URL: www.doggieproject.com
ブログ:犬のこころ
Blog (English): Doggie Paradise!
フェースブック:ドギーパラダイス!
プロフィール: 1988年に大阪を出て、「英語」と「世界」を学ぶためサンフランシスコ・ベイ・エリアに上陸。大学・大学院で文化人類学を研究した後、1999年に愛車で大陸横断し、東海岸に移住。2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件をきっかけに「子供の頃からの夢を現実に!」と犬のプロになる決意をし、人間の専門家から犬の専門家にキャリアチェンジ。地元のアニマル・シェルターでボランティアをしながら、個人でビジネスも立ち上げ、犬と飼い主がより充実した生活を送れるようその指導に日々励んでいる。11年前にシェルターから酷い虐待を受け捨てられたジュリエットという女の子のピットブルをアダプトする。現在推定13歳+。この11年間、「運命共同体」としてお互いなくてはならない存在になる。

*1 編集注:これらのペットショップは鳥、は虫類、ねずみ、ハムスター、魚等の販売は現在も行われています。

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