【米国発】連載コラボ企画!第3回目:犬の食事

──Big Tree:犬は「総合栄養食」の市販のドッグフードを与えるのが一番いい!と信じていた私は、母が当時飼っていた犬に人間の食べ物の残り物のご飯をあげようとしているのを見て「人間のご飯あげたらあか〜ん!」と怒っていたのを思い出します。あれから20年近く経ち、今でもその時の事を思い出しては苦笑いする私。私が犬のごはんについて真剣に考える様になったのは、大人になってから一緒に暮らし始めた愛犬ちゅーちゅーとの出会いから。それ以来インターネットでドッグフードについて色々な事を学び始めてました。一般で売られているドッグフードがどのように作られているのか、「ドッグフードの真実」などの検索キーワードを使えば、インターネットで簡単に調べる事が出来ます。私も実際にこれらのドッグフードの工場に出向き、真実を確認したわけではないのですが、膨大な時間を割いて勉強やリサーチを行いその結果をホームページなどに掲載している方々のレポートを読んだり、数年前にアメリカであった大幅なフードリコールなどで、その製造/管理方法やモラルに対して大きな疑問も持っています。今は、テレビや広告などのドッグフードの健康的なメッセージをそのまま100%信じる事ありません。

Knowledge is Power!(知識はパワーにつながる)このコラムを読んで少しでも知識を増やし、それぞれの状況で学び、そこで自分や愛犬にとって最良の方法を決めるきっかけになってくれれば嬉しいです。

獣医さんの中にも、犬や猫に必要な栄養に関する知識が大変豊富な方もいらっしゃいますが、反対にそうでない方もいらっしゃいます。ですから「獣医さんに勧められたから」というのではなく、是非自分でも調べて勉強して頂きたいなと思います。私も一度かかっていた獣医さんに、「獣医さんで売っている勧められた処方食は「副産物」が沢山入っているのであげたくない。」と言ったところ「今のドッグフードには全て入っていて、そんなの普通だよ。」といわれ、大ショック!「犬の健康を守る為の獣医さんなのに、そんな大切な所で妥協していいの?」・・・その獣医さんの人柄はとても気に入っていたのですが、結局違う獣医さんに変えました。どの獣医さんを選ぶのかは、飼い主さんが100%のコントロールを握っています。セカンドオピニオンも含めて、自分や動物にあった獣医さんを選ぶのは大切な事ですよね。あと可能であれば、ホリスティック系の獣医さんと現代医学の獣医さんの両方を探しておいて、必要に応じてお世話になるのがベストかなとも思います。

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我が家では愛犬達のご飯に関しては色々と試しました。手作り食も数年続け、最初は毎日4種類も飲んでいた処方薬を一日1種類にまで減らせる事ができたのは、この手作り食のお陰だと密かに思っていますし、ちゅーちゅーの体調もかなり良くなったと思います。やはり動物も人間と同じで、余分な添加物や農薬などが入っていないホールフード(野菜、果物、肉などの加工されていない食物)が身体に一番よいと思います。手作り食から生肉食、そして現在我が家ではオネストキッチンのドッグフードをあげています。オネストキッチンの感想についてはこちらに書かれてあります。今は手作り食、生肉食、そしてこのオネストキッチンのフードを気の向いた時に変えたりしながらあげています。やはり良いドッグフードは値段も高いでが、安くて、いい加減に作られた食事を長きに渡り与えていると、病気やアレルギーに悩まされる事も・・・。その時の診察料に比べたら、良い食事を作ったり、買ってあげたりする方が安上がりだったりして?!

良質の食べ物をあげるメリット

  • 毛つやがよくなり毛が柔らかくなる
  • フケなどが出ない
  • 涙や毛など、茶色に変色した毛が元の色に戻る
  • 排出物の匂いが減る、量も減る、おしっこは色が薄くなる
  • 痩せる(うちの愛犬は保護当時チワワとしては太り気味の3.1キロでしたが、現在は2.5キロ)
  • 健康/病気の改善

麻穂さんも愛犬であり「運命共同体」のパートナー、ジュリエットさん(推定14歳、ピットブル、♀)の食生活に対してはこんなお考えのようです。

ジュリエット
ジュリエット、ピットブル♀、推定14歳

──麻穂:もうかれこれ7年以上も前になりますが、ジュリエットの食事に一切市販のドッグフード(ドライ・ドッグフードや缶フード)を使わないようにしました。食事は全て家で手作り。つい最近まではトリートも手作りクッキーを焼いてました。それまでもドライ・フードにゆでたチキンやリバー、ひき肉などを混ぜていたのですが、コマーシャル・フードに疑問を抱き始め、一切使うのをやめ、全て手作りにしました。全てホームメードにしてから、例の中国産の原料を使って作られた多くのドッグフードやトリートの食中毒事件があったのですが(アメリカでも膨大な数のドッグフードのリコールがあり、多数の動物が病気になったり命を落としたりしました。)、わたしの場合は手作りに変えてから、「どのブランドはOK?」と心配することもなかったので、スイッチしておいて本当によかったと思えました。

わたしが市販のドッグフードに疑問を抱き始めた大きな理由は2つで;

  1. 大手ペットフード会社の9割だかのお金はコマーシャルなど商品プロモーションに使われてると知ったことと、
  2. ドッグフードの中身に「バイ・プロダクト(副産物)」が使用されているためです。

(注:バイプロダクト(副産物)とは鶏のくちばし、羽毛、牛、馬、豚、鶏などの爪の部分、排泄物が中に詰まっている内臓など、食べるべきではないモノの事です。)

わたしは獣医師でも栄養士でもないので、カロリー計算も栄養素計算も出来ないので、愛犬ジュリエットに本当に完璧な食事を与えられているかは疑問ですが、それでも推定14歳の今まで大きな問題なしに健康に過ごしてこれたのは食事がかなり好影響しているはずと信じています。

ちなみに、ジュリエットの食事の内容ですが、

  • 野菜:ユッカ(南米の芋:関節炎『Arthritis』緩和に効果ある)、ジャガイモ、さつまいも、ブロッコリー、ベビーキャロット、カリフラワー、ストリングビーンスなどをその時々で適当に選び蒸します。
  • 肉類:チキン、グランド・ミートを交合に使用。チキンはボイル、グランド・ミートは炒める。
  • ご飯類:この間までは玄米100%にしていましたが、老犬には消化が悪いと聞き、今は玄米50白米50に変えました。お米を炊く際に3-4種類の豆(チックピーズ、グリーンピース、黒豆、など)を混ぜて一緒に炊きます。

一週間分くらいつ作り置きして、小分けにしてフリーザーに保存しています。クッキーも一ヶ月分ほど焼いてフリーザーで保存。

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獣医師などによっては「全てホームメード食?」と顔を曇らせる人もいます。でも、これは誰が正しいというよりは、個人個人の信じるところで良いのではと思っています。手作りにスイッチするなら、もちろん栄養素やカロリー計算の勉強をすればするほどいいに越した事はないでしょうね。

──Big Tree:私も麻穂さんの「誰が正しいというよりは、個人個人の信じるところで良いのでは」に賛成!これを読んで、「市販のドッグフードは全てダメ」だとか「うちは市販のドッグフードをあげている・・・。そんな私はダメな飼い主なのか?」とは決して思わないで下さいね。今はどうしても市販のドッグフードしか与える余裕がないという方もいらっしゃるかと思います。そういう場合はよーく水洗いし、農薬を落とした野菜(オーガニックがあればそちらを)を使った水分たっぷりの野菜スープをドライフードの上からかけてあげる等も可能です。私が今までに学んだ大切なポイントの一つが水分です。普段から水分をたっぷりとって、身体の中の毒素やいらないものをおしっことして沢山出してやる事。濃い黄色のおしっこではなく、薄い黄色か透明のおしっこを目指して下さい。

手作り食をつくる中で大変役に立った本は獣医師としてご活躍の須崎恭彦氏の「かんたん犬ごはん―プチ病気・生活習慣病を撃退!です。カロリーだとか栄養のバランスだとか気になる所ですが、ものすごく簡単な表で、とても分かりやすく書かれています。その他にも須崎恭彦氏はたくさんの手作り食本を書いてらっしゃいますので、是非参考にして下さい。どちらにしても、あまり神経質にならずに、できるだけ気楽に、楽しんでやるのが動物にとっても人間にとっても一番!私も愛犬の病気を治そうと必死になったり、夜も寝られないときもありましたが、そういった人間の精神状態も動物には伝わりますので、悩みすぎるのも考えもの。楽しくいきましょう!

参考リンク

寺口麻穂

寺口麻穂
ドギープロジェクト、オーナー、米国ニュージャージー州のシェルターボランティア、アダプション・カウンセラーなど犬のしつけ・訓練に関するスキル、犬とのコミュニケーション法、犬の心理学などの知識を備え、長年の経験を積んだ犬のスペシャリスト。アメリカで発行されている日本人向けの情報誌、U.S. FrontLineにて「ドギーパラダイス!」というコラムも連載中。
URL: www.doggieproject.com
Blog: 犬のこころ
Facebook: ドギーパラダイス!

プロフィール:1988年に大阪を出て、「英語」と「世界」を学ぶためサンフランシスコ・ベイ・エリアに上陸。大学・大学院で文化人類学を研究した後、1999年に愛車で大陸横断し、東海岸に移住。2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件をきっかけに「子供の頃からの夢を現実に!」と犬のプロになる決意をし、人間の専門家から犬の専門家にキャリアチェンジ。地元のアニマル・シェルターでボランティアをしながら、個人でビジネスも立ち上げ、犬と飼い主がより充実した生活を送れるようその指導に日々励んでいる。11年前にシェルターから酷い虐待を受け捨てられたジュリエットという女の子のピットブルをアダプトする。この11年間、「運命共同体」としてお互いなくてはならない存在になる。2011年7月25日、沢山愛されたジュリエットは推定13歳で虹の橋へ。2012年2月シェルターにて生後5ヶ月のピットブルテリア、ノア(♂)を譲渡し、共同生活を始める。

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こちらに記載しているアドバイスはあくまでも一般的状況においての事柄です。各家庭における犬の問題行動にはそれぞれの環境や状況などが関係してきますので、寺口麻穂及びBig Tree for Animalsはそれらのひとつひとつにお答えする事はできません。又両者はこれらの記事の閲覧によって生じたいかなる損害にも責任を負いかねます。飼っている犬の問題行動への解決にはプロのトレーナーさんにかかる事をおすすめします。

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