【アメリカ発】家畜動物のレスキュー、権利擁護、一般への教育活動を行う全米最大の団体★ファーム・サンクチュアリーについて

アメリカのニューヨーク州と、カリフォルニア州オーランド市ロサンジェルスにそれぞれ175エーカー、300エーカーと26エーカー(約70〜121ヘクタール)もの広大な土地を所有し、畜産動物の保護・擁護活動とビーガン・ライフスタイルを推奨する団体「ファームサンクチュアリー」があります。今年で創立25周年を迎えるファームサンクチュアリーは畜産動物のレスキュー、教育、擁護に関しては全米でも一番有名で、経験や実績も豊富な団体であり、アメリカ国内における畜産動物への虐待、扱い方などの法律を改める為の活動もしており、ビートルズで有名なポール・マッカートニー、女優のアリシア・シルバーストーンやエミリー・ビチェネリ、歌手のジョーン・ジェット、NBAバスケットボールスターのジョン・サリーなどを筆頭に世界の角界のセレブもサポートしています。

牛
ファームサンクチュアリーの牛。人に慣れていて、頭を撫でてもらうのが大好き。

私が過去に2度訪れたカリフォルニア州のファームサンクチュアリーには、色々な経過を経てこの団体にレスキューされた畜産動物やその他の動物達(牛(酪農、肉食)、ヤギ、豚、ロバ、羊、ニワトリ、七面鳥、カモ、ウサギなど)がスタッフの愛情とケアを一心に受け、幸せな生活をしています。 ファーム・サンクチュアリーのあるオーランド市は、サンフランシスコのある北カリフォルニア州から車で約3時間半ほどにある田舎町です。見渡す限り広大な丘や山の風景が周りを囲み、この地に立つと何とも言えない平穏感に包まれます。

ここには苦しむ動物達の姿はありません。この団体にレスキューされた牛や豚、ヤギや羊などの耳からは「畜産動物」として付けられていた耳標(耳につけた番号札)は取り外され、やわらかい布で出来た首輪をIDの代わりとして付けてもらいます。また動物達は、一日中豊富に与えられる餌と水、そしてこの広大な土地の中で、それぞれが自分の好きなように過ごす事ができるのです。 この団体の大きな目的の一つである教育の一環として、見学希望者の為の敷地内ツアーが用意されており、予約を入れておくと、誰でもそのツアーに参加する事ができます。

また敷地内に小さな可愛い宿泊用キャビンがあり、一人当たり一万円くらいで団体の敷地内に宿泊する事もできるようになっています。また近所の町にもホテルなどがありますので、そちらに泊まる事もできます。

この施設の入り口には「ここから先は動物達の保護区域です。皆さんは《動物達の家》のゲストという事になりますので、どうか以下のルールに従って下さい。」となどいう看板が掲げられたり、今までとても過酷で辛い状況にいた畜産動物達を尊重する気持ちから、「ファームサンクチュアリーの敷地内ではビーガン食以外の持ち込みはご遠慮願います。」というポスターが宿泊キャビンに貼ってあったりしたのが、動物達を気遣うこの団体の心意気を感じさせてくれました。

七面鳥
子供達からのマッサージを喜んで受け入れる七面鳥。羽の下の脇の辺りがお気に入りスポット。

ツアーをしてくれたスタッフは、見学者の私たちを順番に牛、豚、鳥、ヤギなどのいる敷地内に案内してくれました。一匹一匹の名前をちゃんと把握している所も素敵だなーと思いましたし、愛情を感じました。そこにいてまず感じるのが、何とも言えない心の平穏です。この土地に立ち、落ち着いた風貌で、ゆっくりと草を噛む大きな牛を目の前にすると、その牛の心が自分の心に繋がる様な、何とも言えない感覚を覚えました。以前畜産動物として殺されてゆく動物達を「仕方のないこと」と思おうとしていた自分から、解き放たれたような、そしてそんな未熟な自分を許してもらえたような、不思議な感覚です。動物達の「許し」の心は本当に偉大だなーと思いました。

この団体の共同創立者であるジーン・バウアー氏は「この場所は、もちろんレスキューした動物達が余生を幸せに過ごせる様に作ったのですが、それと同時に、私たち動物愛護の活動家やその他の人達がこの場所に来てそれぞれの心を癒してもらえるような場所、という大切な役割も果たしています。」とおっしゃっていたのが、とても印象的でした。バウアー氏はベジタリアンやビーガンではない人々にも、常に尊敬の念を持って接するバランスのとれた活動家の一人だと私は思います。

ヒルダ
ファームサンクチュアリー設立のきっかけとなった羊のヒルダ

そんなバウアー氏が、この団体を作るきっかけになったのが、ヤギの「ヒルダ」との出会いでした。25年前、ある屠殺場のゴミ捨て場に捨てられていた一匹の羊、それがヒルダでした。ヒルダは屠殺場へ向うぎゅうぎゅう詰めのトラックの中で、衰弱し立てない状態であった為、運転手によってこのゴミ場に捨てられていたのでした。一見死んでいるようでしたが、バウアー氏の目の前で、ふと顔を持ち上げた為、まだ生きている事が分かり、急遽バウアー氏によって引き取られ、獣医による手厚い看病を受け生き延びたヒルダは、その後11年間、ファームサンクチュアリーの緑の多い牧場で幸せな一生を全うし、1997年9月25日、老衰のため眠る様に亡くなりました。現在もヒルダのお話は、ファームサンクチュアリーに見学に来る人たちに語り伝えられています。ファームサンクチュアリーのサイトにヒルダの写真が載っているページもありますので、よかったらご覧下さい(英語)。

私たちが見学に行った時には、他にも家族連れや、中学校の生徒さんと先生達が見学に来ており、それぞれに色んな事を学んでいる様子でした。こうしてうまい具合にレスキューされた動物を生かし、それによって得る事が沢山あるんだなーと感心しっぱなしの体験でした。

ファームサンクチュアリー(カリフォルニア州)の朝

ファームサンクチュアリーの朝、動物達を小屋の外に出してあげる事から始まります。その時の様子をカリフォルニア州の施設のディレクターのリアンさんがファーム・サンクチュアリーのビデオにて紹介してくれています。小屋から出てくる時の動物達の嬉しそうな姿をお楽しみください!

ファームサンクチュアリーの写真ギャラリー

Farm Sanctuaryファームサンクチュアリー (Farm Sanctuary)
米国NY州とCA州に広大な土地を所有し、家畜動物の保護活動、擁護、教育、ベジタリアニズムなどを推奨する全米で一番大きな家畜動物愛護団体。創立者のジーン・バウアー氏が1986年、ストックヤード(家畜置き場)に捨てられていた一匹の羊「ヒルダ」を救った事をきっかけに、現在までに沢山の家畜動物のレスキュー、家畜動物に関する法律の改善などの活動を行っている。一般にファームを公開しており、予約を入れるとファームの見学や宿泊をする事ができる。
URL: www.farmsanctuary.org
ジーン・バウワー氏のインタビュー記事(日本語)by CTF あしたへの選択さん

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