子犬、成犬、シニア犬には、それぞれ異なる魅力と特徴があります。犬たちは、新しい環境に適応するために、それぞれに合ったケアやトレーニングが必要です。シェルターや愛護団体さんから犬を家族として迎える前に、あなた自身のライフスタイルや環境をよく見つめ直すことが大切です。犬は一時的なペットではなく、約10~16年にわたる責任と愛情が必要な存在です。後々「お世話できなくなった」「時間がなくなった」と言って犬を手放すことがないよう、慎重に考えてみましょう。彼らはあなたの生活にきっとたくさんの喜びと愛情をもたらしてくれるはずです!〜Big Tree for Animals
あなたのライフスタイルを考慮して選ぶ
犬を迎える前に、以下のような点を考慮してください:
- カウチポテト派かアクティブ派か:アクティブで毎日運動を楽しむ人なら、エネルギーが高い犬種や若い犬が向いています。一方で、穏やかでゆったりした生活を楽しみたい人には、カウチポテトタイプの成犬やシニア犬が合うかもしれません。
- 家にいる時間が多いか少ないか:家にいる時間が少ない人は、独りで長時間過ごすことが苦手な犬種や性格の犬には向いていません。一方で、在宅ワークや自宅での時間が多い人は、分離不安のケアが必要な犬種でも安心して飼えるでしょう。
- 旅行の頻度や預ける場所の有無:旅行に頻繁に行く場合、犬を連れて行ける環境を整えるか、信頼できる預け先が必要です。特にシニア犬は新しい環境への順応が難しい場合があるため、旅行中のケアについても考慮が必要です。
- 毎日の散歩の長さと頻度:犬には運動が不可欠です。毎日30分以上の散歩が必要な犬種もいれば、室内の遊びや短い散歩で満足する犬種もいます。自分がその散歩を「毎日欠かさず続けられるか」を現実的に考えましょう。
- 経済的に可能かどうか:犬を飼うには、日々の餌代やトリミング、年に数回の健康診断、予防接種、必要に応じた医療費など、さまざまな費用がかかります。特にシニア犬の場合、健康維持や治療のための医療費が増えることもあります。自分の予算や将来的な経済状況を考慮し、無理なく継続できるかを確認することが重要です。
- 家族やサポート体制:他の家族が犬のお世話に協力してくれるのか、それとも自分一人で全てを担うのか。将来的な変化(引越し、家族構成の変化など)も考慮する必要があります。
あなたのライフスタイルに合う犬は?
子犬、成犬、シニア犬にはそれぞれ異なる魅力と特性があります。それぞれの特徴を理解し、新しい家族として迎える際に必要なケアやトレーニングを考慮することが大切です。どの犬を選ぶにしても、愛情と根気を持って接することで、素晴らしい絆を築くことができます。
子犬:活気あふれるエネルギーとトレーニングの挑戦

子犬は高いエネルギーを持ち、成長期には多くの手間と時間がかかります。ですので、アクティブで時間に余裕があり、トレーニングを楽しめる人や、長い時間をかけて犬と絆を築きたい人にあっています。
メリット
- 可愛らしさ:子犬の小さな体と愛らしい仕草は、多くの人の心を掴みます。
- しつけの自由度:最初からトレーニングできるため、自分のライフスタイルに合わせたルールを教えられます。
- 長い時間を共有:子犬から育てることで、多くの思い出を作る時間を持つことができます。
考慮すべき点
- 多くの手間と時間:トイレトレーニングや基本のしつけが必要で、手間がかかります。
- 高いエネルギー:散歩や遊び時間をしっかり確保する必要があり、忙しい人には負担となることも。
- 噛み癖や破壊行動:成長過程で家具や物を壊す可能性があります。
成犬:バランスの取れた選択肢
成犬は落ち着きつつも適度なエネルギーを持つため、幅広いライフスタイルに適応しやすいです。仕事で忙しいが、毎日の散歩や基本的なトレーニングには時間を割ける人やある程度落ち着いた性格の犬を求める人にあっています。

メリット
- 安定した性格:子犬ほど手がかからず、落ち着いた性格を持つ犬が多いです。
- しつけ済みの可能性:多くの成犬は基本的なしつけができていますが、新しい環境に適応するためには追加のトレーニングが必要になる場合もあります。
- 体力と遊び:適度なエネルギーがあり、一緒にアウトドア活動を楽しむことができます。
考慮すべき点
- 健康管理が必要:若いペットと比べて、食事や運動のバランスを意識する必要があります。
- 性格に個体差:成犬はすでに性格が形成されているため、自分に合う犬を見極める必要があります。
- 新しいルールへの適応:以前の環境での習慣がある場合、新しい家のルールに慣れるまで時間がかかることもあります。
シニア犬:穏やかな愛情とゆったりしたペース

シニア犬は落ち着いており、静かな生活を好むことが多いです。家での時間が多く、穏やかでゆったりした生活を楽しむ人や、すでにある程度の*しつけのされている犬との時間を大切にしたい人。 *しつけは犬がそれまでいた環境によって異なります。
メリット
- 落ち着きと安らぎ:シニア犬は穏やかな生活を好むため、忙しい人や静かな生活を求める人に最適です。
- 感謝の気持ち:新しい家族に迎えられた感謝を示してくれることが多く、深い絆を感じられます。
- 柔軟性:シニア犬でも新しい環境に適応する力がありますが、ゆっくりとしたペースで進むことが必要です。
考慮すべき点
- 健康管理と医療費:年齢に伴い、関節や内臓のケアが必要になる場合があります。
- トレーニングの必要性:シニア犬も新しい環境に慣れるためのトレーニングが必要です。特に、新しいルールや生活スタイルへの適応にはサポートが必要です。
- 短い時間:シニア犬との時間は比較的短いかもしれませんが、その分濃密な愛情を共有できます。
選択のポイント
- 子犬が向いている人:エネルギーがあり、トレーニングや遊びに時間を割ける人。若い犬と一緒にアクティブな生活を送りたい人。
- 成犬が向いている人:比較的自由な時間があり、適度な遊びと落ち着きを求める人。トレーニングの手間を減らしつつ、新しいルールを教えられる人。
- シニア犬が向いている人:静かでゆったりとした生活を送りたい人や、人生の中で「落ち着き」と「深い絆」を大切にしたい人。健康管理を含めたケアを惜しまない人。
一時的な感情ではなく、責任ある決断を
犬を迎えることは一時的な感情や衝動で決めるべきではありません。犬は10~16年という長い期間、あなたの家族として生きていきます。その間には、生活環境の変化やライフスタイルの変化もあるでしょう。迎えた犬を最後まで愛情深くケアし、幸せな生活を提供する覚悟を持つことが必要です。

また、子どもが「私がちゃんとお世話するから犬を飼って!」と言ったとしても、大人がその言葉をそのまま鵜呑みにして期待するのは現実的ではありません。子どもがペットの世話をすると約束した場合でも、その責任を一貫して果たすのは難しいことが多いです。子どもには学校や習い事、遊びなどの予定があり、日常的な世話(餌やり、散歩、トイレ掃除、しつけ、健康管理など)を継続して行うには、親や大人のサポートが欠かせません。ペットを迎える際には、最終的な責任は大人が負うべきであることを忘れないようにしましょう。ペットの健康と生活の質を守るためには、大人が主体的に世話を管理し、実行する覚悟が必要です。
どの犬にも新しい環境に慣れるためのトレーニングやサポートは必要です(3-3-3ルールとは?保護犬(レスキュードッグ)を迎える際に知っておきたい心構えの記事もぜひどうぞ!)。自分のライフスタイルや環境を振り返り、それぞれの犬の年齢や特性を考慮して選択すれば、理想のパートナーが見つかるはずです!
【おまけ】犬種による違いを知る:運動量が多い犬種とカウチポテト向きの犬種
犬を選ぶ際には、それぞれの犬種が必要とする運動量を理解することも重要です。以下に、運動量が多い犬種と比較的少ない運動で満足するカウチポテト向きの犬種を挙げます。
運動量が多い犬種
これらの犬は高いエネルギーを持ち、毎日の長時間の散歩やアクティブな活動が必要です。
- ボーダーコリー
- 非常に賢く、仕事や遊びで常に刺激を求めます。
- アジリティやフリスビーなどの活動が得意。
- ジャーマンシェパード
- 運動能力が高く、体を動かすのが大好き。
- 長時間の散歩やトレーニングに向いています。
- ラブラドールレトリバー
- 活発で遊び好き。特に水遊びが大好きです。
- エネルギッシュで、長い散歩やアウトドアが必要です。
- シベリアンハスキー
- もともとソリを引くために育てられた犬種で、驚異的な持久力を持っています。
- 毎日の激しい運動が必須。
- 日本の暑い夏は厳しいかもしれません。プールでエネルギーの消費をさせてあげるなどの工夫が必要です。
- ビーグル
- ハウンド系の犬種で、においを追う活動を楽しみます。
- 長時間の散歩や広い場所での自由運動が必要。
カウチポテト向きの犬種
これらの犬は運動量が少なめで、比較的静かな生活に適応しやすいです。ただし、全く運動しなくてもよいわけではなく、適度な散歩や遊びは必要です。
- ブルドッグ
- 穏やかな性格で、あまり長時間の運動を必要としません。
- 短い散歩で満足します。
- パグ
- 小型でフレンドリーな性格。短い散歩と室内遊びで十分です。
- 過度な運動よりも飼い主との時間を好みます。
- シーズー
- 穏やかで室内での生活に適応しやすい犬種。
- 短時間の散歩と軽い遊びで十分満足します。
- バセットハウンド
- のんびりした性格で、長時間の散歩を必要としません。
- 散歩中は匂いを追うのを楽しみますが、運動量は控えめ。
- チワワ
- 小型犬で、室内運動だけでも十分な活動量を確保できます。
- 短時間の散歩で満足します。
これらは犬の個体によって違う場合もあります。また、どの犬種も適度な運動と刺激を必要とするため、飼い主として責任を持って散歩や遊びの時間を確保しましょう!