保護犬・保護猫の譲渡前に必見!準備と幸せな暮らしのガイド

家族、ペット

目次

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保護犬や保護猫を迎えることは、動物の命を救う合理的で素晴らしい決断です。しかし、保護動物にはそれぞれの背景や特徴があり、一般的なペットショップから迎える場合とは異なる準備や心構えが必要です。この記事では、保護犬・保護猫を迎える前に知っておきたい重要なポイントをわかりやすく解説します。また、ペットショップでの購入を推奨しない理由についても触れ、動物愛護の観点から保護動物を迎える意義をお伝えします。新しい家族との幸せな生活をスタートするために、ぜひ参考にしてください。〜Big Tree for Animals

1. 保護犬・保護猫とは?

保護犬・保護猫とは、さまざまな理由で飼い主を失い、動物保護団体やシェルターで保護されている犬や猫のことです。捨てられたり、虐待を受けたり、迷子になったりと、過酷な過去を持つ子も少なくありません。

怖がる犬

保護動物を迎えることは、命を救うだけでなく、ペットショップやブリーダーから購入する選択肢に比べて、過剰な繁殖を防ぎ、動物福祉に貢献する意義もあります。


2. なぜペットショップでの購入をお勧めしないのか?

ペットショップで子犬や子猫を購入することは、一見手軽な選択肢に思えるかもしれません。しかし、動物愛護の観点から、以下のような理由でペットショップでの購入を推奨していません。アメリカでは、”Adopt, Don’t Shop!” (購入しないで譲渡しましょう)というスローガンが頻繁に使われ、メッセージの書かれたマグネット式のステッカーをペットショップに売っていたりします。多くの一般市民がそれらを車のバンパーに貼り付けたりと、ペットを譲渡するという考え方はとても浸透しています。

過剰繁殖とペットの扱い方の問題

ペットショップで販売される子犬や子猫の多くは、繁殖業者(パピーミルやキティミル)から供給されています。これらの施設では、利益を優先して過剰な繁殖が行われることが多く、母犬や母猫が過酷な環境で飼育されるケースが報告されています。

保護動物の存在

ペットショップで新しい命を購入することは、保護施設で新しい家族を待つ多くの保護犬・保護猫の機会を奪うことにつながります。日本では、毎年多くの保護動物が殺処分されています。(環境省の統計資料:2022年~2023年の犬の殺処分数:2,434匹、猫の殺処分数:9,472匹)保護動物を迎える選択肢を選ぶことで、こうした悲しい現実を変える一歩となります。施設に保護動物がいる間は、犬を買わないという考えを選択する人が増えています。

関連記事:ペットショップで買う前に読んでほしい!レスキュー(動物譲渡)という選択肢

健康リスク

ペットショップで販売される子犬や子猫は、早期に親から引き離されることが多く、免疫力や社会性が十分に育っていない場合があります。これにより、病気にかかりやすかったり、行動上の問題を抱えたりするリスクが高まります。

関連記事:犬の社会化とは?愛犬が安心して暮らすための必須ステップと効果的な方法🐶 パート1犬の社会化を成功させる具体的な方法🐶 パート2


3. 保護犬・保護猫を迎えるメリット

保護犬・保護猫を迎えることには、心を豊かにし、社会に貢献する意義があります。一方で、考慮すべき課題や責任も伴います。

眠る犬

ポジティブな意義

  • 命を救う喜び:保護動物に新しい家族と安心できる居場所を提供することで、救われた命が第二の人生を歩む姿を目の当たりにできます。保護した飼い主自身も、命を救う喜びや深い絆を感じ、心が豊かになります。ペットを譲渡した人が多く口にする言葉に「私が救ったと思ったけれど、本当は私は愛犬・猫に救われたと後になって気がついた」があります。ペットと暮らすことによって、今まで感じなかった気持ちを得られたり、学びを得ることが多々あります。
  • 信頼関係を築く感動:過去に辛い経験を持つ保護動物が、少しずつ心を開き、信頼を寄せてくれる過程は、計り知れない感動を与えてくれます。
  • 社会への貢献:保護動物を迎えることは、動物愛護の精神を広め、過剰繁殖や殺処分問題の解決に貢献する一歩となります。あなた自身の行動が、より多くの命を救うきっかけとなり、社会全体の意識を変える力になります。一人一人のパワーは小さく感じられても、本当はとても大きな力になります。
  • 個性豊かな出会い:保護動物には、成犬や成猫も多く、子犬・子猫とは異なる落ち着いた性格やユニークな個性を持っています。自分にぴったりのパートナーと出会える喜びがあります。

考慮すべき課題

  • 時間と忍耐が必要:保護動物は過去に辛い経験をしている場合があり、新しい環境に慣れるまで時間がかかることがあります。問題行動(吠え癖、トイレの失敗など)が見られる場合もあり、しつけやケアに根気が必要です。
  • 健康面のリスク:保護動物の中には、過去の健康状態が不明な場合や、慢性的な病気やトラウマを抱えている子がいる可能性があります。そのため、定期的な健康チェックや治療が必要になることもあります。
  • ライフスタイルの調整:特に活動量の多い犬や、特別なケアが必要な猫を迎える場合、ライフスタイルや住環境を大幅に調整する必要があるかもしれません。

これらの課題は、保護動物を迎えることをためらう理由ではありません。むしろ、事前にしっかりと準備をすることで、保護動物との幸せな生活を築くための大切なステップとなります。私もフォスターする時は「私みたいなへっぽこでもできるかなぁ」と不安になることもあります。しかしそれは1つのプロセスとして受け入れ、まずはやってみる。それによって得られる経験は何事にも変えられないものに変わるかもしれません。

関連記事:3-3-3ルールとは?保護犬(レスキュードッグ)を迎える際に知っておきたい心構え


4. 保護犬・保護猫を迎える前に考えるべきこと

保護動物を迎えることは、命を繋ぐ素晴らしい決断です。しかし、動物が新しい環境で幸せに暮らすためには、事前にしっかりと準備をすることが欠かせません。以下のポイントをチェックし、動物愛護団体やシェルターのスタッフと相談しながら、自分と動物の双方にとって最良の選択をしましょう。

ライフスタイルとの相性

保護動物には、子犬・子猫からシニア犬・シニア猫まで、さまざまな年齢、性格、健康状態の子がいます。自分のライフスタイルや家庭環境に合った動物を選ぶことは、保護動物が幸せに暮らすための第一歩です。以下のポイントを参考に、動物愛護団体やシェルターのスタッフと相談しながら、慎重に検討しましょう。

  • 活動量:大型犬や若い犬は、毎日の散歩や遊びの時間が多く必要です。忙しい生活の中で、十分な時間を確保できるか考えてください。一方で、シニア犬や成猫は比較的落ち着いている場合が多く、忙しい生活スタイルにも適していることがあります。
  • 住環境:アパートやマンションに住んでいる場合、ペット可の物件であることを必ず確認しましょう。また、猫の場合は脱走防止対策(網戸の補強、窓の安全対策など)が不可欠です。庭や広々としたスペースが必要な大型犬の場合、住環境がそのニーズを満たせるかも重要なポイントです。
  • 家族構成:小さなお子さんや他のペットがいる場合、お互いの安全も踏まえ、保護動物との相性が重要です。例えば、子供や他の動物に慣れていない保護動物もいるため、慎重なマッチングが必要です。動物愛護団体やシェルターのスタッフと相談しながら、自分と動物の双方にとって最良の選択をしましょう。

経済的準備

ペットを飼うには、食費、医療費、ケア用品などの費用がかかります。特に保護動物の場合、過去のトラウマや健康問題を抱えている可能性があるため、定期的な健康チェックや治療費が必要です。

  • 初期費用:保護団体によって異なりますが、譲渡費用(医療費の一部負担など)がかかることが一般的です。フード、首輪、ハーネス、リード、ベッド、おもちゃ、ドッグクレート、ドッグペンなど。
  • 継続的費用:獣医費(毎年の健康診断など定期的にかかるものと、アクシデントなどでかかる費用)、フード、トイレ用品、トレーニング費、グルーミング費、ペットホテル代など。

心の準備

保護動物は、過去に恐怖を感じる経験をしている場合があります。そのため、すぐに心を開いてくれなかったり、問題行動(吠え癖、トイレの失敗など)が見られたりすることがあります。

  • 忍耐と愛情:新しい環境に慣れるまで時間がかかることを理解し、焦らず見守る姿勢が大切です。
  • トレーニングの必要性:特に保護犬の場合、基本的なしつけが必要な場合があります。トレーナーや保護団体のサポートを活用しましょう。
  • アメリカの動物救済活動で効果をあげた犬とのコミュニケーション術『犬との新しいコミュニケーション「犬のエネルギーを読む」(キンドル版)』個人的におすすめです!犬を迎える前に読んでおくことをお勧めします。

5. 保護犬・保護猫を迎えるためのステップ

ミディアムヘアの猫

具体的なプロセスを知ることで、スムーズに新しい家族を迎えることができます。以下は一般的な流れです。

地元の保護団体やシェルターを探す

まずは、信頼できる保護団体やシェルターを探しましょう。インターネットで「地域名+保護犬」「地域名+保護猫」と検索すると、多くの団体が見つかります。また、当サイトの「ペットの里親募集サイト8選|犬猫の新しい家族を探せる情報まとめ」をぜひ参考にしてみて下さい。

譲渡条件を確認する

動物愛護団体では、動物が2度と不幸にならないよう、そして一生幸せにしてくれる環境に送り出すため、譲渡条件を設けています。条件が厳しいところもありますが、それは愛護団体さんがそれだけ動物を大切に思っていることだと理解して下さい。一般的には以下のような条件があります。

  • ペット可の住環境であること
  • 家族全員の同意があること
  • 終生飼育の意思があること
  • 不妊手術やワクチン接種の義務
  • 以前飼っていたペットのヒストリー

面談とトライアル

多くの団体では、譲渡前に面談を行います。また、トライアル期間(お試し飼育)を設けている場合も多いので、実際に生活を始めて相性を確認することができます。

正式譲渡

トライアル期間が終了し、双方が納得した場合、正式な譲渡手続きを行います。譲渡契約書にサインし、必要に応じて譲渡費用を支払います。


6. 保護犬・保護猫を迎えた後の注意点

新しい家族を迎えた後、以下の点に注意して、信頼関係を築きましょう。

まずは環境に慣れてもらう

保護動物は、新しい家や家族に慣れるまで、大きなストレスを感じることがあります。特に、過去に虐待や放棄を経験した動物は、環境の変化に対して敏感である場合が多いです。新しい環境で安心感を持てるよう、以下の点に注意しましょう。

  • 静かで安全なスペースを用意する:保護動物が落ち着ける専用のスペースを用意しましょう。例えば、犬の場合はクレートやケージに毛布をかけて隠れ家のような空間を作る、猫の場合もケージを用意して隠れられる場所を用意するなど、動物が安心できる場所を確保します。参考記事:【3分でわかる】保護猫との初日の接し方と3つのNG行為
  • 刺激を最小限に:最初の数日間は、大きな音(掃除機、テレビの音など)や急な動きを避け、静かな環境を保ちましょう。また、来客を控えたり、過度に触ったり抱っこしたりするのも避けてください。動物が自ら近づいてくるのを待ち、ゆっくりと距離を縮めることが大切です。
  • ルーティンを確立する:保護動物は、予測可能なスケジュールに安心感を覚えます。食事や散歩、トイレの時間を一定にすることで、動物が新しい生活に慣れやすくなります。
  • 観察を怠らない:動物の様子をよく観察し、ストレスサイン(例:犬の場合は体を震わせる、尻尾を下げる、猫の場合は耳を伏せる、隠れるなど)が見られた場合は、さらに時間をかけて慣らす必要があります。動物愛護団体やシェルターのスタッフに相談するのも有効です。

保護動物によって、環境に慣れるまでの時間は異なります。数日で慣れる子もいれば、数週間から数か月かかる子もいます。焦らず、動物のペースに合わせたケアを心がけましょう。


7. まとめ:保護犬・保護猫との幸せな生活を

手を舐めるオレンジの猫

保護犬や保護猫を迎えることは、命を救う素晴らしい選択です。事前にしっかりと準備をし、愛情と忍耐を持って接することで、保護動物との幸せな生活が待っています。ぜひ、皆さんのライフスタイルに合った新しい家族を動物愛護センター、シェルターなどで見つけてください。そして、保護動物を迎える選択肢を多くの人に広めるため、この記事をシェアしていただければ幸いです。ありがとうございました。Happy Adoption!

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